値上げ価格の決め方

値上げは、不安

ロシアの軍事侵攻、急激な円安などで物価が上がっています。
燃料費も小麦も乳製品も肉類も海産物も値上げラッシュです。
当然、仕入価格にも大きく影響しており、店の利益は圧迫されています。

原価高騰にもかかわらず、サイゼリアが値上げをしないと宣言をしました。
しかし、鳥貴族、ケンタッキーやCoCo壱番屋など多くの大手チェーンは値上げに踏み切りました。
100円の回転寿司もなくなってしまったのです。

バイイングパワーのある大手ですら殆どのチェーンが値上げをしています。
いわんや中小個人店では値上げをしないと生き残っていけません。
ただ「値上げをするとお客様が離れてしまう」「売上が落ちてしまう」
そんな不安から、怖くてなかなか値上げができません。

値上げ価格を決定する方法

そんな寿司店の社長の方から「値上げをしたいので、アドバイスをして欲しい」とコンサルの依頼をいただきました。

まずは、商品ごとに売上実績表を作っていただきます。
次に、商品ごとの
原価表を作成していただきます。
その表に、現状の売格と原価、原価率を記入し、値上げ後の新価格を書き入れてもらいました。

値上げ後の新価格を見るとやはり消極的です。
少しだけしか値上げをしていません。

値上げ後の新価格が記入された原価表に、私どもが考える値上げ価格を記入しました。

そして、お互いの値上げ後の価格について、検討をしていきます。
「値上げ幅が大きいですね?」と社長から言われることが殆どです。
「競合店の商品と比較をしてみたんですが、社長の考える新価格では安すぎます」

「それでもこの商品は値上げ幅を大きくしたくないんです」と社長に言われることもあります。
「これまでの売上分析からすると、これは戦略的な商品ですから、社長のおっしゃるとおりの価格でいきましょう」

「この商品は今でも原価が掛かりすぎていますから、適正な利益を出すには高くなりすぎますね」
「確かにおっしゃるとおりです。ネタを変えてはいかがでしょうか?」
「そうですね。ネタを変えると、値上げをしなくても良くなりますね」

このようなやりとりをしながら新価格を社長に決めていっていただきました。

値上げの他に必要なこと

新価格が決定した後に
「この商品はお客様にとって素晴らしい魅力があります。
値段を上げるときには、商品の良さをもっとお客様に伝えた方が良いですよ」と提案をしました。
「なるほど、商品の魅力を伝える必要がありますね」
価格変更のあとは、主力商品の魅力についての検討もしました。

値上げを考える時には、神経質にならざるを得ません。

「一人で考えたら、値上げは出来なかったかもしれません。

他店の情報もいただけたことで納得できました。商品間の価格のバランスも良くなりました」
これは、コンサルが終わったあとに社長から言われた言葉です。

そして、値上げ後に売上・利益がどう推移していくかをチェック・分析することも大切です。
次に打つ手も決まってきますから。

 

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