Vol.46 価格戦略と宅配料

第46回宅配料

「『えー、宅配料取るんですか?!だったら結構です!』とせっかくの注文を断られることがあるんです」こんな相談を頂くことがあります。

宅配の代表である、ピザーラ、ドミノピザ、ピザーラのピザ御三家は配達料を商品代金とは別に請求していません。寿司の最大手の銀のさらやその他の宅配チェーンも最低注文価格は設定しているものの宅配料を取っていませんから、お客様は宅配料は取られないものだと思っています。

そこへ、注文の最後に宅配料を請求されても、お客様は納得できません。

出前・宅配の場合は、デリバリーコストが掛かりますが、通常、出前・宅配専門店の場合は、配達料を別にお客様に請求する店は殆どありません。宅配料を請求していないのは、商品代金の中に、すでに配達料を入れて価格計算をしているからです。

しかし、寿司の宅配をしている茶月は、配達料を200円別に請求しています。メインはテイクアウトなので、配達は別システムとして、その分配達料を請求するという考えです。

お届けガストは、配達料を取りませんが、お店で食べる価格に一定金額を上乗せして宅配での売価設定を高くしていますから、実質は配達料を取っていることと同じです。

マクドナルドも宅配は300円の配達料を取っていますし、CoCo壱番屋は、商品価格に100円をプラスして、さらに一定の金額以下の場合は、配達料がかかります。

お客様としては、出前・宅配専門店の場合は最低注文価格はあっても、配達料はなくて当たり前という感覚がどこかにあります。
それは宅配専門で、宅配しかやっていないからです。

来店・テイクアウトをメインでやっている場合は、お客様が宅配はプラスアルファでやっているから、容器にもコストが掛かっているから仕方がないねと思えば、宅配料を頂いても問題はありません。

しかし、配達料をとるにしても限度があります。
店に宅配を併設しているあるチェーンでは、配達料に加えて、通い桶での出前の場合はさらに回収料500円という店があります。

これでは、お客様は納得をしません。
出前・宅配には、デリバリーコストが掛かりますから、店の立場からすれば、宅配料は請求したくなりますが、お客様の立場になったら、どうでしょうか?

注文してから、「え??そんなにお金かかるの??」と思えば、たとえメニューに書いてあると説明をされても、だまし討ちにあったような後味の悪い感覚になります。

そうなれば、お客様はその店に注文しないでしょう。
せっかく、販促費をかけて、カラーメニューやチラシ、HPを作っても、せっかくのお客様を逃がしてしまいます。

配達料は、出前・宅配にとっては、価格戦略の1つです。
ネット通販も宅配料無料が増えるなか、お客様が納得できて、経営としても利益がでるように、商品価格や配達料を設定することが必要です。

 

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