Vol.40 割引の最大のデメリットとは?

第40回2
「割引をしても集客出来ません」そんな悲鳴を経営者の方々から聞くことがあります。競合店のスマホにはクーポン券、新聞折込のチラシには割引券がたくさん付いています。

ところが、割引といっても5%くらいではお客様は反応してくれません。
10%でもあまり魅力を感じてくれません。
割引をするなら25%以上の大幅割引でないと効果は出にくくなっています。

しかし、大幅な割引はそのときは売上が上がっても、あとで大きなしっぺ返しを食らいます。

割引や値引きは、本来、資本力のある大手の取る戦略です。
しかし、その超大手企業でさえハンバーガーを100円に値下げ後に大苦戦をしたことは記憶に新しいところです。

割引や値引きのメリットは客数を増やせることですが、
最大のデメリットは、注文をしたお客様のリピート率が非常に低いことです。

出前・宅配は一定の商圏で商売をしますので、リピーターづくりは大切な経営課題です。
ところが、データをとってみて驚きました。割引や値引きで注文したお客様のリピート率があきれかえるほど低かったのです。
そして、割引率が高ければ高いほど、リピート率はどんどん低くなっていきます。

割引で注文をするお客様は、割引がなくなると蜘蛛の子を散らすように去っていきます。本来、割引をする目的は、集客をして、その後リピーターになってもらうためです。

しかし、実際にはチェリ-ピッカー(バーゲンハンター)だけが集まってきて、リピーターになるお客様は微々たるものです。
そのリピーターも数回注文した後には、完全に店から離れていってしまいます。
これでは何のために、値引きや割引をしたのかがわからなくなってしまいます。

しかし、売れなくなってくると、即効性のある割引や値引きの誘惑に負けてしまいそうになってしまうこともあります。
コンサルを依頼された会社様もそんなときがありました。

割引をしないで売れる商品を作りたい、利益率を改善するために出前・宅配メニューを一新したいとのご依頼でコンサルは始まりました。
そのときまでは、割引を多用されており、利益を大きく圧迫していました。

当然、新しいメニューをスタートするときには「一切割引しないで行きましょう」と決めていたのですが、いざスタートする段になると「本当に割引しなくても大丈夫かな?」と社長は不安になられていました。

いままで、割引券を付けていたので、割引券を付けないで売れるだろうかと心配になるのは当然だと思います。
果たして結果は・・・

新しいメニューにすると売上は154%と大きく伸びていきました。
もちろん割引はしていません。利益率も6%以上改善されています。

そして「割引券をつけなければ売れない」という以前の固定観念も見事に払拭されました。
いまでは社長は、特別な理由がない限りは「割引はしない」と断言されていています。

値引きをしなくても、価値ある商品をお客様に提供すれば売上はあがります。
割引をしなくても、出前・宅配でシクミを作れば充分に利益は上げられます。

値引き・割引で利益率を圧迫しながら、リピートしないお客様を増やしますか?
それとも
定価で、利益を確保しながら、リピーターやファンになるお客様を増やていきますか?

 

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