「今月最高売上を出しました!」とこんなご連絡をいただくのはこの仕事をしていて一番うれしいときです。
この一言を聞くと、ますますやる気がわいてきます。
最高売上を叩き出したこの店は、出前・宅配を本格導入して3年がたち、毎年着実に売上を伸ばしてきました。
はじめてコンサルに伺ったときには、自店の強みを把握することには、さほど時間は掛かりませんでしたが、出前・宅配用のメニューを作るのに、考えて、考えて、考え抜いて、何度も試作をしました。
そこまで商品にこだわっていたのは、『値引き・割引は絶対にしない』という社長のポリシーからでした。
割引券をつけたり、値下げをしないでも売れ続ける、お客様によろこんでいただける商品を作り上げることに力を注ぎました。
値引きや割引は一時的には売上を上げる効果がありますが、繰り返していくと効果は下がり続け、割引をしなければ売れなくなってしまいます。また、社長は自店の強みを消してしまうことにもつながると考えていたからでした。
売上は上昇カーブを描くときでも、決して一直戦では伸びていきません。
天候などの影響も受け、一時的に売上が下がることもあります。
売上が下降気味になると「値下げすると売れるよ」と悪魔がささやきかけてくることもあります。
そんな誘惑にも負けず、社長は店のポリシーを守り抜きました。
社長の想いを、社長の気持ちの中だけにとどめず、ニュースレターやメニューなどの販促物でもずーっとお客様に訴え続けてきました。
継続的に啓蒙し続けたことも手伝って、お客様も理解してくれるようになりました。
注文した翌日に割引のチラシが入ってくると、定価で注文したのがバカらしく思えてしまい、お客様は「次は割引券が入ってくるまで待とう」そんな気持ちになってしまいます。
いつ注文しても同じ値段なのは、お店に対して安心感が持てます。
3年間の間に、カラーメニューやチラシなどの販促物は変わってきており、商品の内容もより充実させてきていますが、割引・値下げだけは一切やりませんでした。
変えるべき所は変えていき、変えないところは頑固なまでに守り続ける。
この社長のポリシーが、3年間の出前・宅配で増収増益を支えた力になっていたことは確かです。