かっぱ寿司が9月26日(日)に全皿半額セールを行いました。
店によっては4時間待ちもあったようです。
でも、半額キャンペーンは瞬間的に売上が伸びるかもしれませんが、安さ目的で来るお客ばかりですから、リピーターにはなりません。
10数年前に半額セールをした店もありましたが、2回目に注文したお客様は7%、3回目には0%になったのです。
キャンペーンをして、リピーターにならなかったら、キャンペーンをやる意味がなくなってしまいます。
粗利を削り、忙しいだけでは店にとっては、何もいいことはありません。
売上に困ったら、値引きをすることは、悪手です。
かっぱ寿司の競合店である他の100円回転寿司大手の9月のキャンペーンは、スシローが天然本鮪フェア、くら寿司はとろづくしフェア、元気寿司は秋の味覚と南まぐろフェアでした。
すべてが、まぐろフェアです。
宅配寿司大手の銀のさらも、大とろ祭りです。
これは、まぐろが寿司で最も人気があって、集客力のある、ド定番のネタだからです。
一番の人気のあるネタをお客様にアピールして、美味しさが伝われれば、「またお店に行こう」と思いますから、リピーターになる確率は上がります。
困ったら、値引きではなく、看板商品、定番商品の強化です。
看板商品、定番商品を強化していくことが、何よりも売上につながっていきます。
寿司に限らず、他の商品でも同じことがいえます。
人気のある商品をブラッシュアップする、バリエーションを増やしていって、お客様の美味しさを実感してもらうことが、集客や売上を伸ばす基本です。
日経リサーチのアンケートでもお客様が飲食店を選ぶ基準は「料理がおいしい」が66%で第1位です。
ハンバーグであれば、チーズインハンバーグがあるように、定番商品にさらに人気の食材であるチーズを加えてバリエーションを増やします。
とんかつであれば、ボリュームを増やす、質の高い食材を使ったワンランク上の商品を提供することも定番活用の方法の一つです。
ただし、あまりバリエーションを増やしすぎても、商品間の差がわかりづらくなり、お客様が選ぶのにも困ってしまいます。
また、オペレーションも複雑になり、ミスが起きたり、配達時間に遅れたりしますから、注意が必要です。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が明け、10月後半からは飲食店の営業時間の規制も緩和または撤廃されます。
来店客が通常通りに戻れば、仕方なくデリバリーを利用したお客様は去り、出前・宅配・デリバリーは、本格的な競争に入ると思われます。
競争に勝つためには、店の強みが最も発揮できる定番をしっかりと強化していきましょう。