価値観が変われば、売上は伸びる!

第86回価値観

出前・宅配で売上を伸ばしている会社や店の約七割は、すでに出前・宅配を行っていました。取扱う商品は様々で、店と同じ商品群を出前・宅配をしているケースもあれば、今までとは違った新たな商品群を扱うこともあります。

いずれにしても、売上金額の多い少ないに関係なく、今以上の売上と利益を出前・宅配で伸ばそうと考えていたのです。

売上を伸ばす方法は数多くある中で、なぜ出前・宅配を選んだのでしょうか?

それは出前・宅配の経験があったことが最も大きな要因です。
「出前・宅配は売れる」と考えていたからこそ本格導入をしたはずです。

ところが、いざやってみると上手くいかずに「考えていた通りの売上にならなかった」と思い悩む店や、ある程度売上と利益が上がっていたとしても「もっと出前・宅配で売れるはずだ!」と前向きに考えた店からコンサルティングを依頼されたのです。

「考える」ということは、過去の経験や知識、思い込み、信念などの各人の価値観がベースになっています。

ある顧問先の社長が知人の社長に「出前・宅配は儲かるよ」と話をしても、「出前・宅配はやらない」と即答されました。

おそらく、知人の社長の価値観の中に「出前・宅配」に否定的な価値観を持っていたのでしょう。これでは、どんなに出前・宅配を勧められても導入はしません。

「出前・宅配なんて面倒だ」と思ったのかもしれません。
「過去に導入して儲からずに損を出してしまった」可能性もあります。
「出前・宅配は人手がいるから、新しく採用することは難しい」とやりたくない理由を考えることもあるでしょう。
「店にお客様が来てもらうための努力をするのが最もやらなければいけないことだ」と考えているのかもしれません。
これらの考えも全てその人の価値観がベースになっています。

では、新たに出前・宅配を導入した三割の経営者はどうだったのでしょうか?

「店だけは今以上に既存店の売上伸ばしていくのが難しい、新しい売上の柱が欲しい」と考えた方が殆どで、「店だけで売上を上げていく」という従来の価値観に「出前・宅配でも売上を伸ばしたい」と価値観が加わったからです。

この価値観の変化には、これまでの学習や他社他店の事例などが大きく影響を与えたと考えられます。

価値観が変われば、考え方も変わります。
考え方が変われば行動も変わっていきます。

そして、社長自らが、出前・宅配を収益の柱にすべく情熱をもって取り組んだからこそ、成功を収めているのです。
余程の大手企業でない限りは、部下に任せっきりで社長が真剣に取り組まなければ、業績は上がっていきません。

さらに、「こんなに美味しい商品の存在をお客様が知らないのは不幸なことだ。出前でより多くのお客様に召し上がっていただくことが私たちの使命だ」という社長の価値観は、

「あー、美味しかった。またこのお店に注文しようね」と初めて注文したお客様の価値観をも変えることができます。

 

 

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