少し前に、とても驚いたことがありました。
それは、商品や品揃えに関することです。
商品や品揃えは、出前・宅配・デリバリーの売上を左右するものです。
ご支援先からは、商品や品揃えの提案して欲しいとご依頼を受けることもあります。
そんな時には、ご支援先の強みを活かすように商品や品揃えを提案します。
ところが、あるときのことです。
「競合もあるのに(提案した)商品や品揃えが、売れる保証はあるのか?」と聞かれたのです。
このようなことを言われたのは初めてだったので思わず「え?!」と、とても驚きました。
(「売れる保証があるのか?」と聞いてきたのは、飲食やデリバリーの経験のない異動で責任者となった役員でした)
コロナ以降、デリバリー市場に参入する店舗は急激に増えました。
いまでは、競合しない商品はほとんどないといっていいくらいです。
競争がある中で商品・品揃えを考える際には、2つの軸をベースにします。
1番目は、出前・宅配・デリバリー市場で売れる商品・品揃えの4つのセオリーを考えます。
1.商品名を聞いたら、お客様がイメージできる商品であること。
2.家庭ではできない、または作らない商品であること。
3.プロの味が楽しめる商品であること。
4.その地域で親しまれているソウルフードです。
4つのうち、2つ以上の条件を満たしていることを前提としています。
2番目が、店の強みが活用できるように、商品や品揃え案を提案します。
だからといって、提案した商品や品揃えがすべてではありません。あくまでも案の1つです。
その案をベースに、店の方々と一緒に、試作をしながら、強みがお客様にわかるように素材や盛り付けを吟味しながら作り上げていきます。
時には、試作した商品を品揃えから切り落とすことも、また新たに商品を追加することもあります。
これらの過程を経ることによって、売れる商品や品揃えができていくのです。
そして、商品や品揃えの良さをお客様に伝え、売上が伸びていくように販売促進を考えていきます。
以前の経験から、他人から提案された商品や品揃えをそのまま採用しても、何としてでも売ろうとはしません。
売れなかったのは、提案者が悪いと片付けてしまう可能性が高いため、原因追及もされることもなく、商品や品揃えの修正をしなくなります。
自分たちで考えた商品や品揃えであれば、売る努力もします。
万が一、売れなかった場合でその理由を解明し、次につなげることもできます。
商品や品揃えは、一度作ってしまえば完成ではありません。
データを分析しながら、よりよい商品・品揃えにしていくことで、売上と利益は伸びていきます。
どんな商売でも、必ず売れる保証などありません。
チェーン店にしても、売れている店もあれば、売れない店もあります。
売れる保証があるから、売るのではありません。
競合との戦いがある中、売上が伸ばしていくために、商品や品揃え、販売促進を考えていく必要があるのです。