宅配といって直ぐに思い浮かぶものは、ピザと寿司でしょう。
宅配ピザは、富士経済研究所の「外食産業マーケティング便覧2013」のデータでは、ピザーラ、ピザハット、ドミノの大手3社の合計の市場のシェアは72%となっており、ほぼ市場を3社で寡占しています。このほかにもストロベリーコーンズや東海地方のアオキーズ・ピザもありますから、残された市場はわずかです。
宅配ピザに関しては、大手3社の圧倒的な知名度とブランド力がありますので、「これから宅配ピザの市場に参入しても、市場としては美味しくない」とピザカルフォルニアの創業者のU氏はおっしゃていました。
宅配寿司の市場規模は450億円程度といわれており、銀のさらの市場シェアが50%を越えているようです。
ただ、この450億円の市場規模は宅配寿司専門店だけの数字はないかと思っています。一般のお寿司屋さんの出前の売上はこの中には入っていないはずです。
なぜならば、一般の寿司屋さんが、出前と店の売上を分類して統計に出していないからです。そう考えると、出前・宅配寿司の市場はもっと大きくなるはずです。
さらに、寿司はピザのような舶来物ではないために、味は各地方によって違いがあるため、大手に勝てる要素がたくさんあります。
宅配専門のピザに打って出るのは避けた方が賢明ですが、イタリアンレストランのピザであれば、また違った切り口での戦い方が出来ますし、勝算もあります。
少し見方を変えれば、ピザでもまだ宅配で売上を伸ばしていけます。
市場を寡占化されているピザですら、戦い方があるわけですから、市場を寡占化されていない他の商品は、出前・宅配で充分に売上を伸ばしていく余地が充分過ぎるくらいあります。また、売上と利益を上げられるようにコンサルティングを続けてきました。
特に、家庭では作れない寿司などの商品、プロが作った本格的な中華など、はたまた最近は家庭で揚げ物を上げることが少なくなりましたから、トンカツや天ぷらの出前・宅配も売上を見込めます。
出前・宅配専門でなく、店舗に併設する形であれば、出前・宅配は売上と利益を上げられる、非常に有効な手段です。
さらに、視野を広げて考えれば、全くの異業種からの参入でも、自社・自店の強みを活かせば、出前・宅配で成功できます。
コンサルティング先で、魚屋さんが寿司の出前を初めて成功した例が何件かあります。
魚屋さんは、スーパーなどに押されて、売上が減少している店もありますが、
魚の目利きにかけては一流ですし、取引先との関係も出来ています。魚を売らなくても、新鮮な魚を使った新しい商材を売ることが出来ますし、お客様へのアピールも充分にできます。
少しだけ発想を変えれば、出前・宅配は売上と利益を上げられる確かな武器になります。