Vol.7 お客様はお店を知らない。

第6回お客は知らない

 

「お客様は店のこと、知ってますよ。もう30年もここで営業してますから」と話す経営者の方は多いのです。
確かに長い間営業していると、みんなが自分の店のことを知っていると思います。

コンサルティングを依頼されたこのお店は、出前・宅配をはじめる前にも、定期的にチラシを新聞に折り込んでいましたから、当然そう思うはずです。
ところが、調べてみると意外にも店の名前をご存じたった方は少なかったのです。

この調査結果に、社長をはじめ社員の皆さんはビックリしていました。
多くの方が、店があるのは知っていたけれども、店の名前や業種は知らなかったのです。

街を歩いているとテナント募集の看板や空き地を見かけることがあります。
いつも通る場所でも「あれ?ここ以前は何があったけかな?」と思い出せません。

建物やお店があることは分かっていても、何があったのかまでは覚えていません。
今まで、気にしていなかったから当たり前といえば当たり前なのですが、あるべきものがある日突然なくなったので気になっただけなのです。

これがいつも使っている店や気になっていることや場所なら確実に覚えています。

私たちは、お店のことを、商品のことを、いつも気にしているから、そう思うのですが、お客様は、仕事に、家庭に、プライベートに忙しい毎日を送っていますから、お店のことを気にする余裕はありません。

「お客様はお店のことを知っている」と考えるのは、大きな勘違いです。

どんなに長く営業していようと、それは関係ありません。

お店があれば覚えてくれているお客様もいますが、これが宅配専門店になるともっとすごいことがおこります。

10年以上前から営業していて、売上は好調で、知名度も高いはずなのですが、それでもはじめて注文をいただくお客様からは
「おたくはいつ開店したの?」と聞かれることがあります。

お店があっても、宅配専門店でも、「お客様は店のことは知らない」と考えて対策を立てた方がいい結果が出ます。

今まで12年以上コンサルをしてきましたが、どんなにいい商品があっても、売れていない最大の理由は、お客様がお店を、その商品を知らないことだからです。

お店を知らなければ当然ですし、お店の名前を知っていても、どんな商品があるのかを知らなければ売れません。

何を売っているかを知っていても、そこの店に注文するとどんなメリットがあるのかを知らなければ売れません。

チラシで販促を打つにしても、ネットを活用した販促をするにしても同じです。
お客様が興味をもつタイミングで、興味を持つ内容で、お客様に伝えない限り、お客様は興味を持ちませんし、注文は増えません。

「カラーメニューやチラシを、コンスタントに配布しているし、お客様は知っているはず」というのは、お店の思い込みでしかありません。

本当にその販促ツールは、お客様にとって魅力のあるものなのしょうか?
単に、店の商品を並べるだけになっていないでしょうか?

価値ある商品、美味しい商品を提供していれば、お客様にとっては、あなたのお店を知らないことは大損失なのです
身近に素晴らしい店があるのを教えて上げるのも、お店の重大な責務です。

ぜひ、あなたの店の素晴らしいところを、お客様にどんどん伝えていってください。
出前・宅配では、お客様に伝えることが、売上・利益に直結します。

 

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