セミナー、個別相談会にいらっしゃる経営幹部やコンサルティングを依頼される社長は皆さん前向きで、「売上を上げたい」「新しい収益の柱を作りたい」など、言葉の端々からその熱意を感じます。
しかし、売れない店の責任者は、上に立つ人間が絶対に使ってはいけない言葉を使っていることが多いのです。
売れていないから、ついクセで使ってしまうのかもしれませんが、この言葉を使っているうちは、売上も上がりませんし、店の雰囲気もよくはなりません。
その使ってはならない言葉とは・・・
「暇だな」です。
暇とは、やるべきことがない状態のことを言います。
ところが、この言葉を使っている店に限って山のようにやることがあるのが現実です。
お世辞にも、店はきれいだとは言えませんし、電話注文のときの声も小さくて、備品や在庫の整理もいい加減です。売上を上げるためにポスティングに行くこともありません。
「暇」という言葉を使うことで、やるべきことがあるのに、やるべきことがない状況を責任者自身が作り上げてしまっています。
これでは売上も上がりませんし、店の士気もどんどん下がっていくばかりです。
普段何気なく使っている言葉は、本人が意識するよりもはるかに大きな力を持っています。
自分が発した言葉は、自分の身体を作っている37兆個の細胞が聞いていて、その言葉通りに身体は動きます。
責任ある立場の人がいった言葉は、部下の人たちはよく聞いています。そして、上司の言う通りに行動をします。
悪事千里を走ると言いますが、それと同じように悪い言葉の伝わる力は強烈です。
こんな言葉が使われている場合は、その言葉から変えていく必要があります。
いままで使っていた言葉使いを、すぐに変えるのは簡単ではありません。
使わないように意識することは大切ですが、もし言ってしまったら、その場で直ぐに言い換るようにします。
「暇だね、今日は」と言ってしまったら、その後に「注文が少ないね。ポスティングに行こうか」と言い直すだけで充分です。後にいった言葉が前に行った言葉を消してくれます。
「暇」も「注文が少ない」も同じでははいか?と言われることもありますが、全く違うものです。
どちらも同じ店の状況から発する言葉ですが、「暇」は主観から出る言葉です。
「暇」と言ってしまえば、なにもすることがないと決めつけてしまうわけですから、そこで思考はストップします。
「注文が少ない」のは客観です。あるべき注文数に対して、多いのか少ないのか、その事実を言っています。
「注文が少ない」事実に対しては「じゃあ、どうしようか?」と思考が続いていきますから、何らかの行動につながっていきます。
たった1つの言葉ですが、これだけで売上は大きく変わってきます。
言葉が変わると、意識が変わります。
意識が変われば、行動が変わります。
行動が変われば、習慣が変わります。
そして、習慣が変われば、売上が変わります。
あなたのお店では、どんな言葉が使われていますか?