「強力な全国チェーンが出店して、競合店が増えるので何とかしなければ」と対策を考える社長もいます。
たしかに、変化や競争環境に対応することはとても大切なことです。
競合店対策として、価格や商品ラインの見直しをすることもあります。
その際に、最もしてはいけないことは競合店と同じ土俵に乗ってしまうことです。
相手が安ければ「我が社も安くしよう」「割引セールをやろう」などと言うのは、大手を相手にしたら勝ち目はありません。
相手の商品ラインが豊富なので、「我が社も負けじと増やそう」と考えてしまうのも早計です。
商品ラインを増やす場合は、現在の品揃えと相乗効果がでることが前提です。
商品ライン間に関連性がなく、おたがいの足を引っ張るようなことでは、逆効果になってしまいます。
そして、最も悪いのは、競合店を意識するあまりに、自店の魅力を打ち消してしまうことなのです。
とは言っても、強力な競合店が出店するとなると、対策を立てなくてはと焦ってしまうこともあるでしょう。
でもちょっと待ってください。その前に、やるべきことがあります。
全国チェーンならば、さほど遠くはないところに同じチェーンの店がありますから、まずは競合店となるべき店を調査します。
商品は?
価格は?
品揃えは?
客層は?
接客は?
オペレーションは?
などなど
調べるポイントはいくつもあります。
まずは、店に足を運んで競合店の強みと弱みを見つけることが先決です。
自店の魅力や強みが競合店と重なっていなければ、焦る必要はありません。
今まで以上に、自信をもって、自店の強み、魅力を磨いて、お客様に伝えてください。
もしも、自店の強みと重なっていたり、自店よりも競合店に魅力があれば、徹底的に弱みを攻める方法を考えましょう。
新しい店ができれば一度は行ってみたくなるのがお客様の心理ですから、オープン当初は少なからず影響を受けます。
それでも、オープンからしばらくすると行列もなくなり、落ち着いて来ますから、我が社の店舗に魅力があれば、お客様は戻ってきてくれます。心配はいりません。
そのためにも、競合店が出店しようがしまいが、自店の強みや魅力という自店の軸をぶらさないことがとても大切なのです。
競合店が攻めてくるときもそうですが、我が社の店が新たに出前・宅配を本格導入するときにも、競合店となる相手を研究することになります。
以前、コンサルティングを行ったケースでは、所得水準がそれほど高くないにもかかわらず、競合店の数が非常に多い地域がありました。
そして、その地域の競合店は、所得水準に合わせた価格の安い出前・宅配店が多かったのです。
しかし、お手伝いをさせていただいたお店は、競合店に合わせて安い価格の商品を作ることはしませんでした。
そんなことをすれば、同じような市場に打って出ることになり、しなくてもいい競争を仕するようなものです。
不毛な競争を避け、自店の強みや魅力をお客様に伝えていくためは、競合店よりも高い価格帯での勝負を仕掛けました。
するとどうでしょう。
目標としていた売上に、1ヶ月後には達したのです。
安い価格で満足しないお客様は必ずいます。そんなお客様が店のファンになっていただきました。
おかげで値引き・割引きをすることもなく、利益もしっかりと確保できています。
これも自店の強みや魅力を軸として守り続けたからこその結果です。
あなたのお店は。軸をぶらさないで、お客様に魅力をしっかりと伝えていますか?