他力経営と自力経営

 

個別相談の席で「同じフランチャイズチェーンに加盟しているのに、どうして売上の差ができるのでしょうか?」と聞かれたことがありました。

出店をしている地域性や市場性などが関係してきますので、全ての店が同じような売上になるわけではありません。

しかし、同じような地域に店があって、同じような市場性で、同じ商品を扱っていても、売上が大きく違っているのは、単に市場性だけでは説明できません。

飲食業にしても、小売業、サービス業においても店長によって売上や利益は大きく変わってきますから、店長の力の差がそのまま売上に反映されるといってもいいでしょう。

さらに、フランチャイズ(FC)チェーンにおいては、オーナーが店長として直接店を運営している場合と、店長を雇って運営する場合の2つのパターンがあります。

どちらの売上が高くなるかと言えば、一般的にはオーナーが直接運営に携わっている方が多いようです。

その理由は簡単です。
オーナーと勤め人の売上に対する執念の違いです。

閉店時間が2分過ぎて注文が入ってきたときに、雇われ店長なら営業時間外になるので注文の電話をとらないこともあるのですが、オーナーは間違いなく注文を受けます。

これは1つの例にすぎませんが、小さな積み重ねが1週間、1ヶ月、1年と続いていくと大きな差になっていくのです。

オーナーは、FCに加盟するにあったて、数多くのフランチャイザーを調べて、出店する地域の市場や出資できる金額を検討します。

フランチャイザーであるFC本部から説明を受けても、最終的に決断をするのはオーナーですから、自分で決断して、自己責任で加盟を決めているはずです。

オープン直後で売上が伸びているときはよいのですが、売上が落ち着いてくるあたりから、自己資金を投資したオーナーであっても売上に差がでてきます。

あるオーナーは、売上が伸びないのは、FC本部が無策で何もしてくれないからだと不満を口にします。

そんなオーナーは、加盟金や月々のロイヤリティをFC本部に払っているのだから、本部が何とかしてくれるのは当たり前だと思っています。

FCに加盟するまでは自分で考えて決断したのですが、FCに加盟したとたんに本部に頼る他力本願に変わってしまうことが多いのです。

売上を伸ばしている店のオーナーは、売上や商圏データを分析して、対策をたてています。
さらに、FC本部やスーパーバーザーに積極的に質問や相談をして、他店での成功事例を取り入れることも忘れてはいません。

また、本部に対しては不満ではなく、「ああして欲しい、こうして欲しい」と希望を伝えています。

フランチャイジーのオーナーも独立した事業者ですから、FCに加盟していたとしても、本部任せの他力ではなく、あくまでも自分の力で、サポートを受けながら売上を上げる努力をしているのです。

これは決してFCだけの問題ではありません。
経営をするに当たって、環境や他人の力に任せる他力経営なのか、自分で決断し、自分たちの手で経営していく自力経営なのかで、業績に大きな差がでます。

「やっぱり、他の店も良くないんですね」と売れない言い訳を景気のせいにして、景気が良くなれば売れるだろうと考えるのは典型的な他力経営です。

これから日本の人口は減少していきますし、大都市圏以外ではすでに人口減少と高齢化は確実に進行している訳ですから、現状維持ではじり貧の道を歩んでいくことになります。

企業としても、店としても、どんな理由があっても、売上や利益を上げていかなければ生き残れません。

そのためには、新しく売上・利益を伸ばす手段を実行していくが必要があるのです。

それもできるだけ、低投資で、低リスクで、売上・利益をアップさせることができるならいうことはありません。
それができる1つの方法が、出前・宅配です。

出前・宅配を本格導入の決断するのは自力経営です。
本格導入して、データを分析・活用して、売上・利益を伸ばすために手を打ち続けていくことが自力経営です。

あなたの会社は、他力経営ですか?それとも自力経営ですか?

 

 

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