「『景気がよくない』って、私も、昔はそんな言い訳していました。でも、景気が悪いと言ったって売れている店はたくさんあるんです。
言い訳しても売上は上がらないんだけれども、景気のせいにしてしまえば、自分の気持ちが何となく楽になるんです。
今は「宅配」という事業でやるべきことがあって、そんなこと言っていられないですからね。結果がではじめるとやる気になりますし・・・」
コンサルティングが終わったあとの会話で、社長がほほえみながらつぶやいた言葉です。
売上が悪いと景気や天気、競合店など、他者を悪者に仕立てれば言い訳は出来ますが、売上は下がってくばかりです。
それをいつも聞いている従業員やスタッフも、社長と同じような思考と発想が染みこんで、
「売れなくても仕方ない。○○が悪かったから」といつの間にか売れない言い訳の名手になり、売れなくても当たり前の組織風土になってしまいます。
売上が上がらないと、最初にやるのが経費や原価のカットです。
売れないけれど利益は欲しい。利益が欲しいから、原価率を下げる。
原価率を下げると商品の魅力は下がる。
商品に魅力がなくなれば、お客様は離れていく。
お客様が離れていけば、さらに売上が下がる。
負の連鎖が発生します。
利益は売上があってこそ出るのです。原価率や経費をいくら抑えたところで、高が知れています。
なぜ、経営者が原価や経費削減に走るかといえば、簡単にできるからです。
売上が伸びなければ、経費や原価を削れれば、手っ取り早くお金を残すことができます。
それも経営者の指示1つで、社内だけで、すぐにできるからです。
ところが、売上を上げるためには、意識的に仕掛けて、お客様に財布の紐を開いてもらわなければなりません。
しかし、売上が伸ばすのにはどうするのか、その方法がわからないから行動できないこともあります。
また、売上を上げたいと必死に考えているときに限って、考えが堂々巡りをしてしまうこともあります。
少し前のマクドナルドもそうでした。
「カウンターからメニューをなくせば短時間でサーブできるから売上が伸びる」
「60秒以内にサーブできなかったら、サービス券進呈」
どれも、会社の一方的な押しつけで、お客様の方を見ていません。これは、経営者の指示1つで、社内だけでできる経費カットの発想と同じです。
売上を伸ばしていくには、お客様にとってメリットが必要です。
高齢化が進み、女性の社会進出などによって、家事をする時間が少なくなったことも手伝って、自宅まで届けてくれる「出前・宅配」サービスは、お客様にも大きなメリットがあります。
そして、これからも伸びていく市場です。
(詳しくはこちらのグラフをご覧ください)
外食はマーケットが縮小しているのに、食品宅配市場は今後も伸び続けます。
売上を伸ばすなら、伸びている市場で仕掛けていくのは正しい戦略です。
「出前・宅配」は、現在ある会社やお店の強みを活かせるので、リスクが少なく、安全確実に売上を伸ばす経営戦略です。
しかし、あまりにも簡単に「出前・宅配」への参入をすると思わぬやけどをすることもあります。
伸びる市場をライバルが放っておくわけがありません。
正しい方法と正しい手順を踏んで「出前・宅配のしくみ」を導入すれば、ライバルに勝って、売上を伸ばしていくことができます。