売上を伺っていると、こんなにも違うものかと驚いてしまいます。
同じ商品を扱っていても、好調な店は月商500万円、売れていない店は月商50万円にも届いていません。
この10倍以上の差は何なのでしょうか?
商品、価格、地域性、販売促進など様々な要因はあります。
その差は、これら個々の要因と言うよりも、もっと基本的な重要な部分によるところが大きいのです。
その基本で重要な部分とは、「とりあえず宅配でも」と考えるか、「宅配を新しい収益の柱」として考えるかの違いです。
店の売上を少しでもカバーしたいから「とりあえず宅配でも」との考えでは、戦略を立てた積極的な対策を取ることはしません。
商品も店と同じで、容器も安いもの、独自の販促にも消極的です。
コロナで宅配市場は伸びているし、ウーバーイーツなどの宅配代行業へ登録しておけば注文が入るから、とりあえず宅配をやっておこうでは、たいした売上は立ちません。
出前は江戸時代から続く、身近なものであるため、宅配は簡単に売上が伸ばせると思ってしまいますが、そんなに甘くはないのです。
そして、宅配をはじめてみて、目論見よりも売上が伸びない現実を目の当たりにして、厳しさを痛感します。
片手間でやって、儲かるほど簡単な市場ではありません。
一方、「宅配を新しい収益の柱」として考えたお店は、業績は伸びています。
また、そんなお店はコロナの前から、出前・宅配・デリバリーを行っていることが多いのです。
コロナ前も、出前・宅配市場は年率4~6%で伸びていました。
コロナ後に宅配の売上が大きく伸びた店は、来店以外の売上のチャネルを宅配に求めて、以前から戦略的に行動をしてきました。
「新しい収益の柱」を作ろうとすれば、売上目標、利益目標も設定します。
売上を伸ばしていくために、お客様に喜んでいただける宅配用の商品を開発し、どのような包材を使い、写真撮影から販促ツールの作成、商圏設定などを試行錯誤して取り組んできました。
その結果、出前・宅配・デリバリーで売る仕組みができあがり、予期せぬコロナ禍の影響で大きな収益を上げるに至ったのです。
それは大手外食チェーンだけではなく、中小個人店でも出前・宅配・デリバリーで売れる仕組み作ったお店は、来店とデリバリーを合わせて前年売上を超えています。
では、今から宅配市場に参入をするのは手遅れでしょうか?
宅配に参入する店が今後も増えてくるでしょうから、「とりあえず宅配でも」では、生き残ってはいけません。
しかし、「宅配を新しい収益の柱」と考えて、売れる仕組みづくりをしていけば、充分戦って行けます。
コロナは今後どうなっていくのかはわかりませんが、いつかは終息するでしょう。
「とりあえず宅配でも」で宅配を行っている店は、コロナが終息すれば、宅配を止めてしまうか、消滅することは過去の歴史からも明らかです。
(詳しくは「宅配の歴史から考える、これからの宅配市場」をごらんください)
コロナが終息しても、今までとは違った新しい生活様式が定着しています。
在宅勤務も続くでしょうし、宅配の便利さも多くのお客様に伝わりました。
宅配市場は、現在の宅配バブルが終わっても、伸びていくでしょう。
そして、自店の強みを活かして、出前・宅配・デリバリーで売る仕組みを作った店だけが生き残っていきます。