わからない?
多くのお店ではこんなことはありませんが、たまにビックリすることがあります。
店長に売上高を聞いても「わからない」
原価率を聞いても「わからない」
なんとなく売上が落ちてきていることは感じている。
仕入が高くなってきたので、原価率が上がってきていることはわかっている。
だから、危機感はある。
なんとか売上を上げたい、利益を上げたいと考えるのは当然です。
しかし、これでは手の打ちようがありません。
商品ごとの売上数量や原価率がわかっていなければ、いかなる対策も打てないのです。
原価率が50%になったわけ
ある会社で、商品別の売上と原価率を調べてもらったところ、とんでもない結果が出てきました。
最も売れている商品の原価率は、50%を超えていました。
これは、100円回転寿司のマグロの原価とほぼ同じです。
原価率が高くなったのは、仕入原価が上がったことも原因の一つです。
さらに、レシピよりも原材料の重量が多かったために、高原価率になってしまいました。
数字を理解しておくことはもちろんです。
現場での状況を把握、棚卸ししておくことも欠かせません。
調理の現場では、お客様に喜んでいただこうと思って、原材料の重量を増やしてしまいました。
原価率を維持するためには、定期的に現場をチェックすることも必要です。
お客様は商品をよく見ています。
自分にとって価値のある商品を見抜く目は確かです。
利益を上げる前提条件
売れていれば良い訳ではありません。
原価率が高くて、売っても、売っても、利益が出ていなければ商売は成り立ちません。
利益を上げていくためには、まずは売上を伸ばしていくことです。
出前・宅配・デリバリーでは、商品別売上やエリア別売上を理解しておくことです。
数字を理解していれば、売れる商品開発や品揃えの改廃もできます。
原材料の種類を少なくすることも可能です。
売れるエリアを重点的に攻めていけば、売上が伸びます。
ムダな販促費も使わずにすむため、経費の削減につながり、利益が出ます。
利益を出すためには、まず売上高、原価率、在庫金額などの基本の数字を頭に叩き込むことが必要です。
空で言えるのが理想ですが、スマホで確認できればそれでも結構です。
利益を出すためには、数字を気に掛けておく必要があります。
数字が店とスタッフを変える
数字を基本にすれば、現場の見え方や社員・スタッフの接し方も変わります。
社長や店長が数字に暗ければ、社員・スタッフに、こんな聞き方をします。
「売れてる?」
「まあまあ、売れてます」で終わりです。
これでは、社員・スタッフは数字に疎くなります。
社長や店長が数字を大切にすれば、社員・スタッフにはこう聞きます。
「今日までの予算進捗率は?」
「はい、32%です。1週目が終わって32%で、前年対比は113%です」
これなら、社員・スタッフは数字に数字に強くならざるをえません。
経営努力の結果は、数字に表れます。
それは、社長・店長の通知表でもあります。