持続化給付金や地方自治体の協力金や助成金が各社・各店に入金されています。
さらに、7月からは家賃の補助もはじまるようです。
返済義務のない給付金の他にも自治体や日本政策金融公庫からの融資もあります。
ここにきて資金繰り的にはまずは一安心だと経営者の方々から伺うことが多くなりました。
6月からは、お客様も徐々にお店に戻ってきて、少しずつ明るい兆しも見えています。
しかし、まだまだコロナ前のように戻ってはいません。
飲食店では、椅子の間隔をあけたり、対面で座ることを避けたりして、ソーシャルディスタンスをとって感染防止策をしています。
対策を万全にとればとるほど、客席数を減らさざるを得ません。
昼間のお客様は随分と戻ってきていますが、肝心の夜の来店数は回復が遅く、よくて7割という話も聞きます。
夜といっても17時から22時くらいですが、この時間帯に来店されるお客様の滞留時間も短くなっているのが現状です。
以前は夜お客様が2回転していたものが、1回転になったお店もあります。
このままの状態がいつまでも続くわけはないとは思います。
しかし、以前のような活気が店に戻るには、新型コロナウイルスの特効薬もしくはワクチンが完成することが必要です。
新型コロナウイルスは、アメリカ、ブラジル、インドを始めヨーロッパでもいまだに猛威を振るっています。
東京でも連日50名前後の感染者が出ている状況です。
日本でも、いつ第2波が襲ってくるのかはわかりません。
新薬やワクチンが開発され、充分に行き渡る時期もわかりません。
来年早々かもしれませんし、再来年になる可能性も、もっと先になってしまうことだってありえます。
それまで待っていても、業績の回復は期対できません。
そして、2年後からは日本政策金融公庫の融資は元金返済が始まります。
政府は5年間元金の返済猶予と言っていますが、殆どの会社の元金返済猶予期間が2年になっているのが実情のようです。
元金返済をするためには、コロナ前以上の利益を上げなければなりません。
そのために、今やるべきことは、2年後を見すえて、来店の売上にプラスした販売チャネルを作ることです。
飲食店であれば、テイクアウト、通信販売、ケータリング、デリバリーなど様々な方法があります。
コロナ禍でも業績のよかったのは、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキンなど、来店以外の販売チャネルであるテイクアウトとデリバリーの仕組みを作っていたからでした。
すかいらーくグループも来店の売上は大きく減少したもののテイクアウトやデリバリーは、160%以上伸びていました。
ただ、テイクアウトやデリバリーをはじめたからといって、すぐに売れるわけではありません。
マクドイナルドは2010年用賀インター店からデリバリーの実験を始めて、修正をしながら仕組みを作ってきました。
すかいらーくグループは1992年から「テーブルサービス」として宅配事業を開始し、改善しながら現在では200億円以上の年商を叩き出しています。
コロナ禍でも売上が伸びたのは、来店以外の販売チャネルデリバリーやテイクアウトの仕組みを作って、磨き上げてきたからに他なりません。
コロナの第2波に備えるためにデリなり-の仕組みをつくることも必要です。
幸運にも第2波が来なかったとしても、デリバリーやテイクアウトの仕組みづくりが出来上がっていれば、来店の売上にプラスすることができます。
今後、一人暮らしが増え、高齢化が進み、女性のさらなる社会進出が起き、在宅勤務が増えれば、コロナでなくてもデリバリーの市場の伸び率は期待できます。
2年後の融資返済を考えても、今後の売上・利益を伸ばして行くためにも、来店以外の収益の柱を作るのは生き残りのための必要条件です。
新たな収益の柱を、出前・宅配・デリバリーで作り上げて行きましょう。