親子の確執は、こうして乗り越える!

「会長が納得しないんです」と後継者である社長からの相談です。
このところ、数社から親である先代と子である後継者の意見が合わずに困っているという相談が続いています。

相談の内容は「新しい事をやろうとしているんだけれども、先代が反対をしている」というものです。

バブルの頃までは、店を出せばそれだけで充分に売上は伸びていきました。
でも、いまは何もしないでいれば、売上はどんどん下がってしまいます。

後継者である社長は、それに危機感をもっていて、新しい対策を考えています。
ただ、それを実行するためには投資や費用が必要です。

ところが、先代は費用を掛けることに納得をしてくれません。
後継者は、費用と儲かる金額をシミュレーションして、これなら納得をしてくれるだろうと自信をもって説明します。それでも、先代は首を縦に振りません。

先代には、過去の成功体験があります。
「おれは、費用を掛けなくても儲けてきたんだ」、そんな記憶があるために費用を掛けるなんて甘っちょろいと思っています。

後継者がどれだけの言葉を尽くしても、先代を説得することはできません。
説得とは、後継者の方針に従えと先代に迫っているのと同じです。

先代は腹の中では「俺が築き上げた店(会社)だ、まだまだお前の言うことになんか従えるか!」と思っているはずです。

こんな状態では、後継者がどれだけ熱心に説明しても、溝は狭まりません。
親子であるために、感情的になって収拾がつかなくなってしまうこともあります。

では、後継者が先代に納得してもらうには、どうのようにしたらいいのでしょうか?

 

一つは、他社の成功事例を伝えることです。

後継者のことは信じられなくても、他店が儲かっていることは気になる方が多いようです。他の店がどのようにして儲けているのかを、さりげなく先代に伝えるようにします。

雑談の中で「あの店(会社)、こんなことして儲けているみたいだよ」程度でよいのです。
「あの店(会社)、これで成功したからうちでもやろう」では説得になってしまい、反発をされてしまいます。

 

二つめは、社員を巻き込んで、店・会社として雰囲気を盛り上げていくことです。

後継者一人が頑張っても進まないのであれば、社員やスタッフを巻き込んでいきます。新しい取り組みをしたいと組織全体で盛り上げていくのです。

社員からも、ことあるごとに先代に新しい取り組みの意義を伝えるようにします。
そんな声が大きくなれば、先代の気持ちも変わることがあるのです。

 

三つめは、先代との妥協点を見いだして、少しでもいいので事を始めてしまうことです。

絶対に後継者の意見に反対と言う訳でもない場合もあります。
後継者にとって納得できない条件だったとしても、妥協点を見いだして、まずは始めてしまうことです。

いざ始めてしまえば、実績はついてきます。さらに実績を上げるために後継者の思うとおりにしてしまえばいいのです。

実績さえ作ってしまえば、先代も納得せざるを得なくなります。

いずれにしても大切なのは、先代を説得することではなくて、納得をしてくれる状態をつくってしまうことです。

 

 

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