「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし」
野村克也監督が試合後に言ったことで有名になりました。
出典は、平戸藩九代藩主であった松浦静山の剣術指南書の中にある言葉だそうです。
この言葉は、スポーツだけではなく、商売の世界にも当てはまるのではないかと感じることが多々あります。
「先生、普段と何も変わったことをしていないのに、最近売れているんですよ」と社長が顔をほころばせていました。
この社長が経営している店舗の1つでは、宅配用メニューを開発している最中です。
試作の段階ですが、社長をはじめ開発に携わっている幹部も新しいメニューに大いに手応えを感じています。
売れそうだという期待感に心躍るのは、これから売上が伸びていく吉兆であることは、今までの経験からしても確かです。
そして社長の奥様が「イキイキとして仕事に出かけていく(社長の)姿をみると私もうれしくなる」と言ってくれると、おのろけも頂きました。
照れながら社長が言った言葉で、売れるようになった理由がわかりました。
それは、店が明るくなったからでしょう。
社長や幹部が、イキイキして、明るく元気で、活力に満ちていれば、店長や店のスタッフにも伝わります。
店のスタッフがはつらつと仕事をすれば、店全体が活気に満ち満ちていきます。
それがお客様にも伝播して、お客様も幸せな気持ちになって行くのです。
やはり、社長は店の顔なのです。
イートーンはもちろんですが、出前・宅配の場合でも電話対応やお届け時の対応で、お客様はそのことに気づきます。
社長の気持ちが前向きであれば、スタッフにも、お客様にも広がります。
お客様も食事をするなら、どんより暗い店よりも、元気ハツラツな店を選ぶはずです。
ところが、繁忙期を迎えると、店も、厨房も余裕がなくなることが多くなります。
忙しくなると、焦ってしまい、厳しい表情になりがちですが、それもお客様には伝わります。
追い打ちを掛けるように、店のトップがイライラしていると、スタッフは緊張します。
緊張すると、身体が硬くなり、思考が停止し、普段はしないミスも起きてしまいます。
焦ったところで、何も良いことはありません。
繁忙期こそ、1つ1つの仕事を丁寧に行うことが大切です。
そして、お客様が多いときこそ、注文が多いときこそ、社長や店長は笑顔でいましょう。
それだけで店の雰囲気は良くなります。
そんな店にお客様は集まってきます。
どうぞ、夏の商戦期を笑顔で乗り切ってください。