平日の夕方5時30分の電車なのに、つり革もつかめないほどの超満員で押すな押すなのラッシュです。
普段この時間はまだラッシュ前ですから、ある程度混雑していても余裕でつり革がつかめます。
この日は、電車が夕方の早い時間から混んでいる代わりに、飲食店にはお客さんがいません。ガラガラで閑古鳥が鳴いています。
このある種異常とも言えるこの日は2002年6月4日、日韓サッカーワールドカップで日本対ベルギー戦が行われた日でした。
続く6月9日の日本対ロシア戦は日曜日、この日は夕方から電話が鳴りっぱなしです。
6月9日に電話が鳴り続けていたのが、出前・宅配・デリバリーの店でした。
宅配ピザでは、6月の売上が前年の2倍になった店もあったようです。
単日ではなく、既存店の月間売上が2倍になることは滅多にあることではありません。
スポーツのビッグイベントがあるときには、出前・宅配にとっては売上を伸ばす大きなチャンスなのです。
サッカーワールドが海外で行われているときにも、日本戦が行われる前後の時間帯には同じように注文の電話がひっきりなしでした。
2019年ラグビーワールドカップで日本戦が行われたときにも、試合が終了すると同時にある店では電話がひっきりなしに鳴り響いていました。
今年2021年は、たぶん東京オリンピックが7月23日~8月8日まで開催されるでしょう。
出前・宅配にとっては、日本で開催されるオリンピックは、売上を伸ばし、既存客を増やすビッグチャンスです。
なかでもスポーツ観戦との親和性が強いビザや片手でも食べられるハンバーガーやフライドチキンなどは売上が大きくアップすることでしょう。
オリンピックのTV観戦が増え在宅率が高くなれば、出前・宅配・デリバリーの需要は確実に増えます。
しかし、オリンピックに向けて、飲食店の営業自粛が緩和されても、来店客が減ってしまうことは十分に考えられます。
そのためにも、出前・宅配・デリバリーで売る対策を今から準備しておく必要があります。
今とるべき対策は、自店デリバリーでも、ウーバーイーツや出前館などの宅配代行サービスを利用しているお店でも同じです。
まずはリピーター対策をきちんとやっておくことです。
一度で利用したお客様がリピーターにならないことが非常に多く、2/3のお客様は1回だけの注文で終わっています。
それは味やサービスに満足をしていないのではなく、お客様が忘れてしまうからです。
お店ならば、滞在時間も長くなりますし、商品のほかに接客や店の雰囲気など記憶に残りやすくなります。
しかし、出前・宅配・デリバリーは、お客様は商品が届けば、自宅で食べるわけですから、記憶に残りにくいのです。
それをカバーするために、ニュースレターや美味しい食べ方、お店のこだわりなどをお客様に伝えていきます。
次回の注文時に、サイドメニューなどをプレゼントすることもあります。
既存のお客様の記憶に残すことが、オリンピック期間の注文につながります。
次が、オリンピック期間に向けての販売促進の準備です。
スポーツイベントは、初めて出前・宅配・デリバリーを注文する人が多くなります。
オリンピックの見どころは、だいたい夕方から夜にかけてですから、夕食の時間にぶつかります。
せっかく日本でオリンピックがあるなら、たとえTVでもライブで観たくなり、家事をやりたくないと思うのが人情です。
そんなときに重宝なのが、出前・宅配・デリバリーなのです。
東京オリンピックは、出前・宅配・デリバリーにとってビッグチャンスです。
オリンピック期間は、売って売って儲けていきましょう!