今後のデリバリー市場

デリバリー市場が伸びた理由

ここ2年のデリバリー市場の拡大には目を見張るものがありました。
ある意味、異常な2年間です。

コロナ禍で、来店売上が激減し、売上を少しでもカバーするために、デリバリーを始めた店が一気に増えたことも大きく影響しています。

ウーバーイーツや出前館に加盟を申し込んでから、運用できるまでに2~3ヶ月掛かってしまうほどの希望者が多くなっていました。

コロナ禍でデリバリー市場が伸びた理由は、私が考えるに3つあります。

1.ウーバーイーツや出前館などのデリバリーサービス業者が増え、エリアを拡大し、利用できる店舗が増加したこと

2.デリバリー代行サービス各社の競争激化で、顧客の獲得、シェア拡大のためデリバリーサービス業者の割引額が大きくなったこと

3.外食が出来なくなり、今までデリバリーを利用したことのない人が一気に利用したこと

デリバリーの市場規模

そのためデリバリーの市場規模は
2019年4,183億円
2020年6,030億円 対2019年比144.2%
2021年7,909億円 対2019年比189.1% (NDPジャパン調査)
と急速に拡大しています。

デリバリー市場の今後は?

では、今後のデリバリー市場はどうなって行くのでしょうか?

コロナ前もデリバリーは年率約4%で伸びている市場でした。

ところが、コロナによる行動制限が解除された2022年4月以降の大手外食の売上は確実に売上が伸びています。

外食大手のコロナ前の2019年との売上比を見ていると、ほぼコロナ前の状況に戻りつつあります。

来店売上が回復してくると、コロナ禍で付け焼き刃的にデリバリーを始めた店のデリバリー売上は下がってきます。

売上が下がれば、デリバリーへの力の入れ方も減り、デリバリーから撤退をし始めている店も増えています。

2年連続で驚異的な伸びを示したわけですから、2022年のデリバリーの売上が多少下がるのは想定内です。

顧問先の店の売上でも、2022年5月のデリバリー売上は、2021年5月よりも5~10%下がっている店があります。

2020年、2021年のデリバリーの売上があまりにも良かったために、2022年が多少下がるのは覚悟していました。

もちろん、デリバリーの売上が多少下がっても、来店売上が大きく伸びていますから、デリバリーと来店合計では、2021年5月、2019年5月の売上をともに超えています。

来店が増え、過去2年間の伸び率が大きかったため、2022年のデリバリー市場は、これまでの反動で2021年をやや下回ることもあり得ます。

だからといって、今後デリバリー市場が縮小するとは考えてはいません。

デリバリー市場が拡大する理由

今後もデリバリー市場は拡大すると考えており、その理由は2つあります。

1.デリバリーの売上が伸びている大きな要因は、今までデリバリーを利用してこなかった人たちが、デリバリーの利便性に気付いて、デリバリーを利用する絶対数が増えたことです。

顧問先の顧客リストでもこの2年間で新規客率は大幅にアップしました。

その結果、2022年5月のデリバリー売上は、2019年と比べて10%~80%伸びています。

2.社会情勢的に、一人暮らしや老人の増加、夫婦共稼ぎ、テレワークなどが増えることが予想されることです。

コロナ禍のデリバリーで売上が多いのは、1人前や2人前のオーダーであったことからも、メインターゲットである客層の拡大は市場の成長に寄与します。

市場はコロナ前のような伸び率で伸びて行くと予想されます。

しかし、コロナ禍で、にわか仕込みでデリバリーを始めた店が、来店の売上が伸びたことで、デリバリー市場から撤退をすれば、そこにはチャンスが待っています。

デリバリー市場が拡大する理由

今後、デリバリーで売上・利益を伸ばしていくためには、

1.デリバリー用の商品開発

2.写真と同じような商品品質でのお届け

3.短時間で調理できるオペレーション

4.時間通りの配達

5.既存客のフォロー

が必要です。

顧問先の殆どが、コロナ前からデリバリーの上の5つの仕組みを作った結果、2019年比でもデリバリーの売上は伸びています。

ある社長がおっしゃいました「コロナが終わっても、デリバリーをやることで、来店売上が2割上がるだけで充分価値がある」

これからが本当のデリバリーの勝負のときです。

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