100万円~6,000万円まで補助額の出る「事業再構築補助金」の詳細が2月15日に発表されました。予算は1兆1,485億円という大型の補助事業です。
飲食店を経営していて緊急事態宣言の影響で2021年1~3月のいずれかの月の売上が、2020年または2019年同月の1ヶ月の売上より30%以上減少した場合には、特別枠があります。
特別枠は、審査も早く、補助率も2/3から3/4に引き上げられます。
もしも、特別枠で採択されなくても通常枠で審査をされますから、コロナの影響を受けた飲食店の方には特別枠で申請することがおすすめです。
詳細は、経済産業省のHPをご覧ください。
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/summary.pdf
詳細は発表されましたが、公募要領はまだ発表されていません。
事業再構築補助金の申請が始まるのは3月となっていますが、公募要領と同時に公募が始まるようです。公募期間は1ヶ月程度とのことです。
補助金の採択率を高めるためには、できるだけ早く申請することが必要になってきます。
下の図のように小規模事業者持続化補助金の例を見ても、1・2回目の採択率は80%を超えています。
しかし、3・4回目の採択率は30%前後に急に落ち込んでいます。
小規模事業者持続化補助金 採択率 | ||||
回数 | 公募〆切 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
1 | 5月15日 | 6,744 | 5,503 | 81.6% |
2 | 6月5日 | 24,380 | 19,833 | 81.3% |
3 | 8月7日 | 37,302 | 12,664 | 33.9% |
4 | 10月2日 | 52,529 | 15,421 | 29.4% |
補助金の予算が決まっている以上、回数を重ねるごとに予算枠は少なくなっていくので、採択率も下がってしまいます。
そのため、1回目に申請することが採択率を上げる一つのポイントです。
しかし、公募要領が発表されてから準備をしても1回目の公募に間に合わない可能性があります。
そのためには、いまから事前準備をしておかなければなりません。
そのために準備すべきことは3つです。
1.gBizIDを取得する
事業再構築補助金の申請は、全て電子申請です。
申請には、GbizIDを取得する必要があります。
手続き自体は簡単ですが、取得までに2~3週間掛かります。
事業再構築補助金の申請のためにgBizIDの申請が多くなることも考えられますので、早めの取得が必要です。
なお、申請には印鑑証明書が必要になります。
申請は下のサイトからできます
https://gbiz-id.go.jp/top/
2.認定経営革新等支援機関を見つける
事業再構築補助金の事業計画書は、認定経営革新等支援機関と共に策定することが条件になっています。
事業計画書は自社で書いても、業界に詳しい専門家が書いても問題はありません。
ただし、事業計画書のチェックは認定経営革新等支援機関にしてもらう必要があります。
認定経営革新等支援機関は、税理士や銀行、商工会議所などです。
顧問先の税理士に確認してみてはいかがでしょうか?
認定経営革新等支援機関のリストは下の通りです。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/kikan.htm
3.事業計画を予め考えておく
事業再構築補助金の対象主要経費は、建物の改築や撤去、設備、システム購入費です。
飲食店が、新たにデリバリー・テイクアウトを始める場合に、厨房の改修費、テイクアウト用の注文窓口を作るなどの費用は主要経費になります。
主要経費を使ったデリバリー・テイクアウトの売上を伸ばして行くための販促費用は関連経費として対象になります。
しかし、販促費など関連経費のみの申請では採択される可能性は低いと思われます。
さらに、事業計画が合理的で説得力があり、専門の審査員が納得するものでなければなりません。
小規模事業者持続化補助金の経営計画書を弊社が書いた申請は全て採択をされました。
それは、公募要領に則って、デリバリーやテイクアウトの専門知識を駆使して書いたから、説得力があったのです。
事業再構築補助金については公募要領がまだ発表されていませんので、事業計画書のフォーマットや必要枚数等もわかりませんが、事業計画案は作成しておく必要はあります。
事業計画の内容としては
・現在どのような事業を行っているのか?
・なぜ事業の再構築が必要なのか?
・再構築としてどのような事業をするのか?
現在の事業と関連性があった方が良い。
再構築事業の市場性や将来性はどうなのか?
・現在の会社や店の強みや弱み、そして再構築事業の市場におけるチャンスやリスクは何なのか?
・どんな投資をして、将来どのような売上・利益を見込むのか?
・経費については概算で良いので見積もりを取っておく
・再構築事業においての自社・お店の優位性は何なのか?
・具体的な事業のスケジューリングや資金計画はどうなのか?
などです。
これらの項目については今から考えておく必要があります。
すでに顧問先の会社とはデリバリーの事業計画を立てております。
通常補助金は、経費を使った後に支給されますが、事業再構築補助金には小規模事業者持続化補助金同様、経費を使う前に補助金が振り込まれる概算払いのが準備されています。まだ金額等の詳細は決まっていません。
さらに小規模事業者持続化補助金が採択された事業者でも、事業再構築補助金は申請できます。
ただし、同じ投資に対して別の補助金を受けることはできません。別の投資であることが必要です。
飲食店の経営者様のための事業再構築補助金の無料相談も行います。