年末年始の書き入れ時、その中でも正月三が日で平均月商の1ヶ月分以上の売上を叩き出す店があります。
この3日間はメイクのスタッフもデリバリーのスタッフも大忙しでてんてこ舞いです。
ただ、忙しくてもスタッフは笑顔で働いています。
雰囲気はいつもと違って、店にはお菓子やドリンクが並んでおり、まるでお祭りのような雰囲気です。
そこに次々と商品が出来上がり、次々と運ばれていきます。
活気に溢れているとはまさにこんな状態の店です。
しかし、初めて正月に営業をすると社長が決断したときには、社員・スタッフは「正月に出勤したくない」と反発します。
いままで三が日は家でTVでも観てのんびりしていたのに、いきなり出勤と言われれば嫌がる気持ちはわかります。
自分がイヤだと感じることに、拒否反応をしてしまうのは仕方がないことかもしれません。
しかし、いざ働いてみると、これが結構楽しくなってきます。
全スタッフが、一生懸命に働いていて、自分も頼りにされている、そんな充実感もあったからでしょう。
正月手当を支給したことも多少効果があったのかもしれません。
次の正月からは、社員は喜んで働いてくれるようになりました。
そして、たった3日間で1ヶ月以上の売上を出すわけですから、仕事は早くなり、スタッフの能力もアップします。
正月が終わると、ちょっとやそっとの売上では焦らなくなり、余裕をもって仕事ができるようになります。
いいこと尽くしの三が日ですが、この恩恵を最も受けるのが寿司の出前です。
2021年の正月は、コロナの影響で、帰省や旅行を控える方々も多くなるでしょう。
家にいることが多いためか、おせちの販売も好調です。
在宅率が高くなる正月は、お寿司の出前も例年以上に売上が伸びていきます。
コロナの影響がないお正月でも、顧問先の寿司店では、年末の予約でさえ断らざるを得ず、当日注文は殆ど受けられない状況です。
正月の寿司の需要は、供給を遙かに上回ります。
断られた注文は、そのまま消滅するわけではありません。
お正月にお寿司を食べたいお客様の欲求は消えることなく、お寿司を出前してくれる店を探します。
出前をしてくれれば、普段は注文しない知らない寿司店にも不安なく注文します。
言葉はよくありませんが、正月はおこぼれの注文を頂戴できる絶好の時期です。
正月三が日で出前を注文して、寿司が美味しければ、電話や配達員の対応が良ければ、その後もリピーターになる可能性はかなり高くなります。
お客様は「こんな美味しい寿司屋さんがあるとは知らなかった」とアンケートにも書いて下さっています。
正月三が日、寿司の出前が売れれば、その後も売上のベースが上がっていきます。
正月に出前で売っていくために必要なのが、お客様に知ってもらうことです。
正月に営業をすること、出前できる商品、予約方法、これを店頭やネット、チラシを通してお客様に伝えることで、売上は大きく跳ね上がります。
正月は寿司屋の出前にとっては、非常に大きなジャンプボードなのです。