コロナ禍によって、デリバリーへの参入が劇的に増えました。
今までテイクアウトさえ消極的だった大手のサイゼリヤでさえも宅配代行業者を使って参入してきました。
その主な理由の1つは、来店客の減少による売上減をカバーするためです。
もう1つは、宅配代行を使うにしても、自店でデリバリーをするにしても、出前・宅配・デリバリーは、初期投資額が低いからです。
デリバリーを新たに始める場合、店舗を作る程の費用はいりません。
宅配代行業者を使えば、加盟金は数万円ですみます。
自店デリバリーにしても、低額で始められます。
しかし、デリバリーをはじめる前に考えておかなければならないことがあります。
それは、初期投資額が低い分、ランニングコストが高いことです。
実際に始めてみないとピント来ないかもしれませんが、利益を出すにはランニングコストを抑えることが絶対条件です。
「注文が増えて、良かったね。売上も伸びた」と気楽に構えて経営をしていると、利益はでません。
宅配代行業者使えば、包材代金が必要な上に、売上に対して35%以上の手数料が発生し続けます。
自店デリバリーにしても、売上が伸びていけば、配達員の増員も必要になり、人件費が増えていきます。
そのため、出前・宅配・デリバリーをはじめたら売上は伸びたが、利益が出なかったなんてことが起こりえるのです。
出前・宅配・デリバリーは、飲食業の1つのカテゴリーではありますが、飲食業とは違った発想が必要になってきます。
商品が美味しいことは大前提であり、これは飲食業と同じです。
それ以上に大切なのはオペレーションの効率化、ランニングコストを抑えることです。
ゴーストレストランを始めて、宅配代行業者を使う場合には、無駄な動きをしない厨房の設計は欠かせません。
また、厨房内で無駄な作業をなすためには、食材の仕込みの方法や調理を簡素化するための仕組み作りも必要です。
自店デリバリーをする場合は、その上さらに配達員1人が1時間に多くの配達をできるようにする人員の配置と配達の指示ができないと利益はでません。
無駄に人件費を使ってしまうと、利益はあっという間に吹き飛んでしまいます。
最大のコストである人件費を抑えることは、利益を出す上では絶対条件です。
これらの仕組みづくりなしに、コンピュータを導入しても、全く使い物にならず宝の持ち腐れになるだけです。
デリバリーはコスト管理をすることで、利益が出せます。
この発想は、飲食業ではなく、製造業と同じ考え方です。
デリバリーは、イートインと違ってお客様が注文すると同時に氏名・住所・電話番号・注文時間・注文商品・配達時間などのデータが手に入ります。
そのデータを活用して効率化する仕組みをつくることが、出前・宅配・デリバリーの強みでもあります。
最後に、出前・宅配・デリバリーをはじめるのであれば、コロナ禍が終わっても続ける覚悟が必要です。
それが、出前・宅配・デリバリーで成功する大きな鍵ですから。