「手数料を35%以上取られたら儲からないよね。
その上、キャンペーンで、配達料無料だとか、1つ注文でもう一つ無料なんてやったら利益なくなってしまうよ」
と宅配代行を利用している飲食店オーナーの嘆きが聞こえます。
デリバリーもコロナ禍の影響で競争が激しくなってきました。
ウーバーイーツの加盟店は3万店、出前館が2.4万店、ほかにもmenuやチョンピーといった宅配代行業も新に出てきています。
競争が激しくなる中で、売上を伸ばしていくためには、どうしようかとどの店も対策を考えます。
手っ取り早く、売上を上げるには、お客様に経済的なメリットを与えることです。
配達料無料や1つ無料もお客様にはメリットがあります。
そして、一般的に行われているのが割引です。
割引率にもよりますが、割引をすれば定価よりも売れるはずです。
しかし、割引で注文をしたお客様が定価で次に注文をするでしょうか?
お客の立場になってみれば、同じ商品を割引なしの高い値段で買うのは抵抗があります。
割引率が高ければ高いほど、お客様は割高感を覚えるので、リピートをしません。
半額にしようものなら、定価でのリピート率は数%になってしまうのです。
こんなことでは割引をしても店には何のメリットもありません。
限られた商圏内で商売をする出前・宅配・デリバリーで、売上・利益を伸ばしていくためにはリピータを増やしていくことが至上命題なのです。
30%以上の高い割引率の場合は価格に魅力を感じて注文をするでしょう。
しかし、それよりも割引率が低い場合は、割引が売上アップに本当に貢献しているのでしょうか?
デリバリーに限らず、手元に割引券があっても、使わないことはあります。
割引券付きのDMをもらっても、デリバリーを利用する気がなければ、割引券は使いません。
出前・宅配・デリバリーを利用しようと思ったときに、たまたま割引券があったので使ったというのが正しいのではないでしょうか。
割引券自体がお客様の消費を喚起するのは、割引率が相当に高いとき、またはお客様のニーズがあったときと考えられます。
以前にご支援先では通年割引を行っていました。
そのとき割引等の使用率が高かったのは、繁忙期です。
そこで、中途半端な割引ではお客様の需要を生み出すことはできないと考えて、割引を一切なくす戦略を取ることにしたのです。
割引がなくても売れる商品とは何だろうか、と試行錯誤をしながら商品を開発しました。
いざ割引なしで新商品をスタートする直前には、いままでの割引券への誘惑が頭をよぎります。
「本当に大丈夫だろうか?」と。
結果は、割引がなくても売上は130%以上伸びました。
何より、粗利率が6%以上改善したことで、営業利益率が大きく改善されたのです。
割引は大手の戦略です。
中小零細では、値引きは利益を圧迫して疲弊してしまうだけです。
「割引したから売れたと思ったのは、思い込みだったのかもしれない」とご支援先の社長はおっしゃっていました。
割引をして利益を圧迫する経営をしますか?
それとも、割引なしで健全な経営をしますか?