明日から始める宅配のポイント
ウィズコロナの時代。
少しでも売上を伸ばすために出前・宅配・デリバリーを考えている飲食店もあるでしょう。
出前・宅配は馴染みがあるため、すぐにでもできそうに思えます。
しかし、やってみると思い通りの売上にならないことも多いのです。
出前・宅配で売って行こう、売上の柱にしようとする場合には、成功法則があります。
成功法則の手順に則ってその店独自の出前・宅配で売る仕組み作りを作っていくことで売上は伸びていきます。
そこで、今回は、明日から始められる出前・宅配のやり方について述べていきます。
はじめて宅配をやるのであれば、ウーバーイーツや出前館の宅配代行を使っていただくのが楽です。
でも、登録までには1~2ヶ月ほど時間がかかります。
そして手数料も売上の35~40%と結構な割合でとられます。
すぐに始めたいのであれば、自分の店で出前・宅配をすることが一番手っ取り早いのです。
では、早速、出前・宅配をするときに大切な要素8つをお話していきます。
1.宅配する商品
最初から数多くの商品数を宅配するのは得策ではありません。
お店で出している商品と容器が違えば盛り付け方も変わってきます。
慣れないうちは、盛り付け一つとっても戸惑うことがあります。
おすすめ商品や人気のある商品にある程度絞ることが必要です。
お店で出す商品をアレンジして、宅配専用の商品にしても構いません。
商品で一番大切なのは、お店以上にお客様に喜んでいただけるような商品を作ることです。
お客様に届いたときに見た目でも「あー、おいしそう」と思っていただけるように考えます。
来店の代わりに出前・宅配をするという店本位の発想では売れません。
出前・宅配でもお店に来ていただく以上に、お客様に美味しく、そして幸せになっていただけるお客様本位の商品をお届けすることです。
2.商品の価格
宅配代行業を使うと、商品価格が店で提供する価格よりも高くなっています。
その上宅配料をお客様からいただいています。
配達の人件費が掛かりますから、ある程度は仕方ない面もあります。
では、お店で宅配をする場合の価格はどう考えたら良いでしょうか?
①お店と同じ価格で宅配をする
②お店の価格に宅配料をプラスする
③宅配商品の価格はお店とは別にする
いろんな価格の設定の仕方がありますので、よく考える必要があります。
テイクアウトと宅配の両方をする場合には価格設定はより大切なポイントです。
お店があれば、②と③を合わせた価格設定が多くなっています。
3.宅配用の容器
もっとも簡単なのは、店で出している器をそのまま宅配でも使うことです。
これは、昔から出前で使われている方法です。
丼物なら器は1つで対応できます。
定食の場合は、ごはんとおかずで二つ以上の器が必要になるので、手間になり、重くなります。
そして、器の回収の手間も増えます。
最近では、ワンウエイ容器を使うことが多くなりました。
ワンウエイ容器はネットで検索すると沢山の業者さんがみつかります。
ここで絶対に気をつけなければならないことがあります。
運んでいるときにできるだけ「一方に寄らない」「崩れない」ような容器を選ぶことです。
ワンウエイ容器は発注単位が50個、100個などとなっています。
買ってから使えなかったでは無駄になってしまいます。
おすすめは、サンプルを出してもらえる業者さんです。
試しにワンウエイ容器に盛り付けて、器に隙間が出ないようにします。
あまりに商品と器と合わなければ、器を変えることもあります。
容器から商品の内容を考え直すこともあります。
4.宅配用バッグ・おかもち
商品を運ぶときには、宅配用のバッグ・おかもちが必要です。
宅配用バッグ・おかもちもアマゾンや楽天市場で売っています。
陶器の器を使う場合は、おかもちが必要です。
購入するときには、容器と宅配バック・おかもちのサイズは必ず確認してください。
夏でも冬でも保温効果があるバッグは便利です。
5.宅配エリア
自店デリバリーであれば、宅配エリアを決めることが売上と利益を決めます。
自転車やバイク、自動車はお持ちですか?
お持ちであれば、片道5~15分までが宅配エリア一つの目安です。
店の周りの地理に詳しいスタッフばかりならば片道15分でもかまいません。
宅配に不慣れであれば狭い範囲から始めたほうが良いでしょう。
よくあることですが、ベテランが10分でいけるところを、宅配を始めたばかりの新人スタッフでは20分近くかかることもありました。
徒歩でも出来ないことはありませんが、宅配の範囲はごく近隣に限られます。
そして、宅配をするときに気をつけなければならないことがあります。
①宅配バックは絶対に傾けないようにしてください。
②交通ルールを守って、安全に運転してください。
こうすることが商品にも優しくなるのです。
ウーバーイーツの配達員を見ていると前傾姿勢で、危険な運転をしている人が多くいるように感じます。
ネットでもそのことがかなり取り上げられています。
交通ルールを無視した危険な運転をしても時間は大してかわりません。
安全運転でお届けすることが、商品もスタッフも守ります。
そして、お客様にも喜ばれます。
6.販売促進
宅配を始めても、お客様が知らなければやっていないのと同じです。
お客様にどんどん宅配していることをお知らせしましょう。
まずは、店頭に「宅配しています」などのポスターやステッカーを貼り出します。
HPがあればHPで、宅配をしていることや宅配している商品、宅配出来る範囲を宣伝します。
Instagram、Facebook、TwitterなどSNSでもどんどん発信をしていきます。
市や商店街でテイクアウト・デリバリーをしている店を紹介するHPを立ち上げている地域もあります。
ネットだけでなくチラシも作ってポスティングした方が効果的です。
商品名と価格、住所と電話番号が書いてある文字だけのチラシならばすぐにできます。
文字だけのチラシもいいのですが、写真があったほうが注文数は増えます。
いまはスマホでもきれいに写真が撮れますから、ワードやパワーポイントを使えば写真付きのチラシも簡単に作れます。
ネット印刷を使えば、少枚数からでも、短期間で印刷可能です。
チラシのポスティングをスタッフがすれば、近隣の地理を覚えるというメリットもあります。
そして、ネットもチラシも、お店や食材のこだわりなど、美味しさを言葉でも伝えてください。
7.注文受け
自店デリバリーでは、注文を受けるところから、お客様との接点になります。
いままで出前・宅配をやっていなかったお店にはHPはあっても、HPから宅配を注文できるシステムにはなっていないはずです。
自店での宅配の受付は、電話からが多くなります。
電話で宅配の注文を受ける場合には、まず元気よく電話にでることです。
こんなご時世ですから、元気な声を聞くとお客様も元気になります。
そして、早口にならないことです。
言い慣れた店の名前や自分の名前は早口で言ってしまうことが多いのです。
しかし、早口だとお客様には聞き取れないこともあります。
ゆっくり言うくらいがちょうど良いのです。
次に、電話の場合は言い間違い、聞き間違いがあり、これがオーダーミスにつながってしまいます。
かならず、注文内容やお客様の住所、電話番号は復唱しましょう。
電話の受け答え一つで、店に対するお客様の印象は良くもなり、悪くもなります。
8.お届け時の対応
出前・宅配で唯一お客様と直接お会いするのが、お届けして商品を受け渡しするときです。
クレジットで先に支払っていれば、玄関先に商品を置いておく「置き配」も出来ます。
しかし、現金での支払いまたは商品お届けと同時にPAYPAYなどキャッシュレスで支払う場合もお客様と接することになります。
さすがに2m以上離れて、商品の受け渡しや支払いをすることは出来ません。
マスク着用で消毒など衛生管理をしっかりした上で対応をすることが条件です。
その上で、しっかりとあいさつをしてお客様に好印象をもってもらうことが、リピータにつながっていきます。
ウーバーウーツを利用したときには、配達員は商品を渡していくだけで、清潔感も感じず印象はよくありませんでした。
いい印象をお客様に持ってもらうためには、店のスタッフがお客様にお届けをすることがとても大切になります。
感じのいい接客ができるのは店のスタッフだけです。
お届け時の接客ひとつで、次の注文または来店につながります。
これも、大きな差別化になり、お店の強みにもなります。
追加.営業許可と衛生管理
デリバリーをするときの許可については、飲食店営業許可の範囲内ですから、新たに許可をとる必要はありません。
ただし、自治体によってはルールが若干異なる場合がありますから、保健所で確認をされることをおすすめします。
(保健所は現在とても忙しい状態です)
衛生管理については、お店で提供するのと同じようにしていただければ充分です。
お店のよっては、抗菌シートを使っています。
「早めにお召し上がり下さい」「○○時間内にお召し上がり下さい」と書いたメッセージを入れている場合もあります。
いままでお話をしてきましたが、まずは出前・宅配をやってみることです。
やってみればいろんなことがわかってきます。ちょっとしたミスもありますが、それも勉強です。
一生懸命に頑張っていれば、お客様も励ましてくれます。
出前・宅配で、お客様に喜ばれるとともに、少しでも多く売上を伸ばしていきましょう!