Vol.33 クレームを上得意客にする

第33回

出前・宅配ではネット経由の注文が増えてきましたが、それでもまだメインは電話からの注文です。電話からは注文も入りますが、ときとしてクレームの電話が入ることもあります。

クレーム時の電話対応1つで、お客様をさらに怒らせてしまうか、それとも常連客になってもらえるか、が決まってしまいます。

ある飲食チェーン店を利用したときに、売上のピークの午後7時に商品が品切れになっていたことが1週間で2回ありました。
昔そのチェーンでバイトをしていた友人に、そこのことを話すと「それはおかしいですよ。連絡した方がいいです」といわれ、大手チェーンがどんな対応をするのかを確かめたくて、お客様相談室に電話をしました。

なかなか落ち着いた雰囲気の受け答えでしたが、こちらが話しているのに、チェーンの担当者は言葉をかぶせてきます。
担当者は「品切れは、あってはならないことです。店舗にしっかりと指導します」とは言うものの、「もうしわけございません」の一言もありません。

相手の立場になって考えればわかると思いますが、店に2度も足を運んでもらっておいて、品切れだったらどんな気持ちになるのかを考えなければなりません。

担当者は名前も名乗りません。名前を聞くと「K」ですと言われましたが、聞き取りにくくて確認をすると、いらついた感じで言い直されました。マニュアルでは最後に担当の名前を言うようになっているそうです。

この電話を切ったあとの後味の悪さはなかったです。

店側の主張をお客様に伝えたい気持ちはわかりますが、それをすればするほど、お客様は電話対応に対してもイライラが増幅されます。

クレーム対応の基本は、お客様の話をよく聞くことです。
一部の悪質なクレーマーを除いて、お客様は話を聞いてくれ、謝罪の気持ちが伝われば、それだけでクレームは解決できることがあります。

お客様は「話を聞いてくれない」と自分をないがしろにしていると感じて、さらに怒りに火がつきます。
「話を聞いてくれない」のは「自分は大切に扱われていない」とお客様は無意識のうちに感じるからです。

反対に、お客様の気持ちを尊重して、話を聞き、共感して、謝罪の気持ちを伝えることが出来れば、「何かあってもキチンと対応してくれるから安心だ」とクレームが転じて、上得意のお客様になってもらえます。

クレームは無いに越したことはありませんが、顧客数が増えれば一定の割合では発生します。そのときの対応によって、大きな差が出てしまいます。

あなたの会社では、お客様の声をちゃんと聞いていますか?お客様の気持ちに寄り添っていますか?

 

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