「採用はなかなか難しいですね」とこんな会話が飲食業や小売業・サービス業ではよく聞かれます。
確かに飲食業の有効求人倍率は2年前のデータですら2.64倍となっており、いまでも人手不足は続いています。
採用も大切ですが、離職率はどうでしょうか?
せっかく採用できてもすぐに辞めてしまったら、いつも採用を続けなければならないことになってしまい、採用費だけでもバカにならない金額が出て行ってしまいます。
コンサルティング先の会社やお店をみている限りでは、こんな状況でも採用が出来ている会社やお店は、離職率も低いのです。
たまごが先か、にわとりが先か、そんな議論になってしまいますが、離職率が低い会社は、社員やスタッフがイキイキしています。
昔の飲食店では「仕事は見て覚えろ」と親方や先輩に言われ、出来なければ怒られ、時にはぶん殴られることもあったようです。
さすがに今こんなことをしている店はなく、ちゃんと教えている会社や店が殆どでしょう。
それでも「出来て当たり前」そんな意識は未だにあるように思えてなりません。
指示したこと、教えたことが出来ていても評価されず、出来なければ叱られる、そんな伝統だけは生き続けいます。
しかし、叱られたからといって、正しくできる訳ではありません。
叱られると、また同じミスを繰り返してしまうことも多いのです。
ゴルフコースにでると池やバンカーがあります。
「池に入れないように、バンカーを避けるように」と思って打つと、決まって池ポチャになったり、バンカーに入ってしまったり、そんな経験はありませんか?
これは池やバンカーを意識しすぎたために、ボールが意識したところに飛んでいった結果です。
同じように、叱られたことは、失敗しないように意識をします。
すると失敗したときのイメージがよみがえり「また叱られるのではないか?」と思い、かえって身体が緊張して同じミスを繰り返してしまうのです。
こんなことが続けば、やる気がおきるどころか、気持ちが後ろ向きになり、自信をなくし、辞めていってしまいます。
そして、最悪の場合、パワハラとして訴えられることだってありえます。
では、やる気にさせるためにはどうしたらよいのでしょうか?
出来なかったことを叱られるよりも、出来たことを認められる方がやる気になるはずです。
ゴルフで大叩きをしたときでも、ナイスショットは1つや2つあったはずです。
ミスショットを指摘されるのと、ナイスショットを褒められるのとでは、どちらの方がモチベーションが上がるでしょうか?
仕事でも全く同じです。出来ないことより、出来たことに目を向けてもらった時にこそ、やる気が出てきます。
人間だれしも認められたいのです。その根本にあるのは「大事にされたい」と思っているからなのです。
方法論は様々にありますが、やる気をだす最大の秘訣は「認めること」そして「大切にすること」です。