宅配特需はいつまで続くのか?

街にはウーバーイーツの自転車がたくさん走っています。
ご支援先の売上をみても、出前館などからの注文は確実に増えています。

外出自粛要請、緊急事態宣言が出てからは、出前・宅配・デリバリーは好調です。
すでに出前・宅配の仕組みを作っていた店の3月4月の売上は下がっていないどころか、上がっています。

この機会にデリバリーに参入しようとウーバーイーツや出前館のシェアリングデリバリーには申し込みが殺到しているようです。

ただ、相当な申し込みがあって、始めるまでには2ヶ月くらいはみておく必要があります。

そのため前回のブログでは、すぐにでも売上を上げるための出前・宅配の始めた方を書きました。
これは短期的な売上フォローであって、あくまでも応急措置です。

つなぎとして出前・宅配を始めた場合、売上は大きくは望めません。
それでも、少しでも売上を稼ぐためには、来店以外の販売ルートを作っておくことは必要です。

楽観的に考えて、緊急事態宣言が5月6日で解除されるとすれば、またお客様は街に繰り出し、お店に戻ってくるでしょう。

2月下旬に学校の休校・イベント自粛要請が出て、外出を控えました。
ところが、安倍首相の3月中旬の会見で、卒業式は安全に考慮すればやってよいと発表したとたんに、気持ちが緩み、花見など街に人があふれ出したのです。

たった2週間でも我慢できないのに、4月7日~5月6日までの1ヶ月間に渡り外出自粛が続いたら、その反動は確実に出るだろうと思います。
今までの鬱憤を晴らすように、飲食店にも再び活気は戻ってくるはずです。

本当にこのように明るい未来になるのであれば、出前・宅配も短期的な対応で十分でしょう。

しかし、ノーベル賞を受賞した山中教授は、京都新聞のインタビューで新型コロナウイルスは「最低1年は覚悟しないといけない」と長期的な戦いになるとおっしゃっています。

5月6日で緊急事態宣言が終わるかどうかは疑問です。たとえ終結宣言が出されたとしても一気に外出自粛要請が解かれるとは限りません。

段階的に様々な制限が緩やかになったとしても、しばらくは飲食店の営業時間制限は続く可能性があります。

そのときには、出前・宅配・デリバリーを短期的な対応では不十分です。
出前・宅配を本格的に導入する必要があります。

かといって、ゴーストレストランにするのはおすすめできません。

ある限られた地域ならば収益が見込めるかもしれませんが、長年の経験からはそんなに簡単に成功できるものではないのです。

好調だった都心部のデリバリーでさえ在宅勤務が増えたために、業績に陰りがでています。

飲食店の営業時間制限があっても営業できるのであれば、お店と出前・宅配の2つの販売チャネルを持つことがおすすめです。

売上がプラスされても、人件費や設備を含めた経費も店と宅配で共用できるため効率がよくなります。

来店以外に売上をプラスしたいのであれば、手数料が高くてもウーバーイーツなどの宅配代行業者を利用することも1つの方法です。

自店で新たな販売チャネルとして、本格的に出前・宅配の仕組みを作りあげて、売上の柱を作りあげることも考えられます。

さらに、自店デリバリーとウーバーイーツなどの代行業者を併用することで客層を広げることも可能です。

いまは、外出自粛制限で宅配の特需期になっています。

毎日毎日3食の支度をしなければいけないから「たまには宅配で」そんな理由もあって追い風です。
しかし、新型コロナウイルスが長引けば、経済が疲弊し、収入も目減りすることも充分考えられます。

宅配の便利さを知ってリピーターになる人も出るでしょうし、テレワークが進み、以前よりも出前・宅配・デリバリーの売上はのびていくでしょう。しかし、配達料が必要となり割高になる出前・宅配・デリバリーを避ける人達も出てききますから、売上は落ち着いてくるでしょう。

山高ければ谷深し、のたとえのように、好調だった反動は必ずきます。

ここのときにやらなければならないことは、真剣に出前・宅配に取り組むことは当然として、独自性をいかにお客様に訴えていくかです。

ウーバーイーツも参加する店舗が増えれば、それだけ競争が激しくなります。
自店デリバリーにしても宅配市場全体で競合店が多くなるわけですから競争が激化することは避けられません。

ウーバーイーツの配達員をみていると、大手チェーンで商品を受け取っていることが多いように感じています。

その理由は、お客様が利用する店のことをよく知っているからです。
知らなければ注文は入りません。

そのためにすべきことは、自店の存在と魅力をいかにお客様に伝えていくかです。
自店デリバリーでもウーバーイーツでも、HPやSNSを使って積極的にアピールしていくことは欠かせません。

従来から使われているチラシも有効です。
ウーバーイーツにしても出前館にしてもネットの世界だけに留まらず、チラシやハガキをポスティングしています。
大手のガストや宅配ピザも定期的にチラシを入れてきています。

さらに、地域に合わせた商品の特性も考えておくべきです。

日常食は単価が低く、注文頻度は高くなります。
ハレの日の食事は注文頻度は低くなりますが、単価は高くなります。

この二つを組み合わせていくことで、季節変動を減らし、安定的な売上が得られるのです。
品揃えもお客様に魅力的に映るようにしていきます。

商品、スタッフも含めてお店のことをお客様に積極的に発信をしていくことは、来店でも出前・宅配でも同じです。

いずれにしても、今後いつ何があるかわかりません。
出前・宅配・デリバリーはもちろんのこと、通販も含めて売上のチャンネルを複合化しておくことは必要です。

デリバリー本格導入のご相談はこちらから。

 

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