「これは、いいね」と直感的に思いました。
売れる販促ツールは、見た瞬間にこう思えます。
これは、あるそば屋さんのチラシです。
おそば屋さんは一般的に落ち着いたイメージがあります。
チラシを作るときにも落ち着いたイメージだろうと思っていたのです。
ところが、オーナーのリクエストは落ち着いたイメージではなく「遊んで欲しい」でした。
一瞬耳を疑い、「本当にいいんですか?」と確認したところ「そば屋のイメージを壊してください」と笑顔で答えてくれました。
「どうしてですか?」と理由を聞いてみると
「蕎麦は年寄りのイメージがあって、若い人と距離がありすぎると思っています。だからこそ、若い人がオーダーしてくれるようなチラシを作りたいんです」と教えてくれました。
これは楽しそうで、やりがいがあります。
今までにない楽しいチラシを作ろうと闘志も湧いてきました。
デザイナーと打ち合わせをする前に、デザインの方向性とコピーを考えました。
コピーも、オーナーの意向に沿うように、若い人達に響くように遊んでみました。
だからなんでしょう、デザイナーとの打ち合わせも、肩肘を張ることなく楽しくできました。
「そのアイデアいいね」
「もっとこうした方が面白いんじゃない」
こんなふうに、あーでもない、こーでもないと話をしていると、新しいアイデアもどんどん浮かんできます。
10日後、1発目のデザインが上がってきました。
原稿を見た瞬間に、いい出来だと感じたのです。
チラシにしても、ホームページにしても、販売促進ツールを見たときに、いいと思わないとお客様にも伝わりません。
30代前後の女性にも、出来上がったチラシの原稿を見てもらったところ
「そば屋さんじゃあないみたい」
「なんか注文したくなりますね」
「まるでファストフードみたいで、気になっちゃいます」
と好評でした。
そして、オーナーに見てもらったところ、いい感じだと言ってもらえました。
ちょっと遊びすぎたかなと思うところもあり、修正点を確認すると、さらに過激なコピーに変更するように提案をされました。
そのときのオーナーもニコニコして嬉しそうでした。
さすがに、それはちょっとというものもありましたが、オーナーの遊び心も半端ではありません。
ただ、まだこのチラシはお客様の手元には届いていません。
ということは、結果は出ていないのです。
でも、どんな結果になるのかを楽しみしています。
このチラシは、最初は狭いエリアから配布をしていく予定です。
売上の結果をみて、修正するところは修正して、さらに売れる、楽しいチラシにしていきます。
まだまだコロナの影響があって、飲食店の経営者の皆さんは前向きになれないかもしれません。
眉間にしわを寄せていても、暗くなるばかりです。
でも、このオーナーは、いつも笑顔です。
笑顔でいるから、楽しい発想が生まれます。
こんなときだからこそ前向きに、笑顔で遊び心をもって仕事をしていくと、よい発想、良い結果が出てくるんだと信じています。
マスターズで優勝した松山英樹選手も、ミスをしてもミスを引きずらずに、笑顔で乗り切ったことも大きかったと本人もおっしゃっています。
笑顔で一緒に頑張って行きましょう!