出前をする店が増えてきました。
出前・宅配のポータルサイトである「出前館」には1万店舗以上が登録をしています。
イートインの売上以外の新たな販路として出前・宅配は魅力的です。
都市部では「ウーバーイーツ」をはじめとする宅配代行業者のおかげで、設備投資や販促が不要になったことも大きく影響しています。
出前館でも注文を受けるだけでなく、朝日新聞の販売店とのコラボで「シェアリングデリバリー」として宅配代行を始めました。
吉野家も出前館の「シェアリングデリバリー」を利用して、首都圏などで宅配をしています。
ただ、消費者の感覚としては「吉野家の牛丼を宅配」するには高く感じます。
牛丼(並)は570円です。そこに宅配料300円加わります。
さらに注文は1500円以上のしばりがあるので、牛丼(並)なら3つ以上注文しなければなりません。すると合計で2010円です。
牛丼(並)は持ち帰りや店内飲食では380円ですが、宅配にすると1つあたり
670円となり、約1.76倍の価格になってしまいます。
よほど吉野家の牛丼が食べたければ別ですが、この価格だと注文をためらってしまいます。店としてはプラスアルファの売上になれば十分と考えているのでしょう。
大手有名チェーンですから、ある程度の注文数は稼げるでしょうが、同じような価格で宅配をしても売上は大きくなりません。
以前に丼の宅配を500円~700円でした店がありましたが、注文数も多くはなく、宅配コストが利益を圧迫して成功はしませんでした。
客単価が安すぎるものの出前・宅配はおすすめしていません。
では、出前・宅配をおすすめするのはどんなお店なのでしょうか?
1.1回あたりの平均注文単価が3000円以上あること
-宅配コストを回収するためには一定の単価は必要です。
2.お客様が慣れ親しんだ商品であること
-馴染みのない商品にはお客様に抵抗感があります。
3.立地が良くない店
-お客様が来にくければ、店から商品を配達すればいいのです。
4.その地域で親しまれている老舗
-店の知名度は、出前・宅配であっても強力な武器になります。
5.半径2Km以内に5万世帯以上ある地域の店
-店の近くに多くの世帯があれば配達コスト負担が小さいのです。
6.競合店の少ない地域にある店
-競争相手が少なければ、出前市場を独占・寡占ができます。
1と2は必須ですが、3・4・5・6のうち1つでも該当すれば、出前・宅配で売上を伸ばすことが出来ます。
宅配代行業者に30%以上の手数料を支払うよりも、月商が100万円を超えたら自前で出前・宅配をしたほうが遙かに儲かります。
上の1~6に該当をしていれば、出前・宅配で売上と利益を伸ばしてみませんか?