「商品構成を変更したのでHPを作り替えたんです」と社長が教えてくれました。
「以前、業者さんに見積もりを取られていましたが、もう完成したんですか?」と伺うと
「業者の見積もりが高かったので、そのことを話したら社員がHPを作ってくれたんです。パソコン関係の知識があるので任せてみたら業者に出すよりも早く完成しました」とうれしそうでした。
早速、その社員が制作をしたHPを検索してみました。
すると、白ベースのトップページが表れました。
店舗の紹介ページ、商品のページや宅配のページなど必要な要素は備えています。
しかし、数秒で他の店のHPにとんでしまいそうな魅力のないページです。
原因は、2つありました。
1つめは、白ペースに写真が並べてあるだけで、フォトアルバムのような感じになってしまっています。
他店が趣向を凝らしている中にあっては、あまりにもあっさりしすぎていて、安っぽく感じます。
2つめは、単に写真が並べてあるだけで、お店のストーリーや商品のこだわりが全く書いてなかったのです。
お店には、開店から現在までのストーリーや社長や店主の思いがあります。
コンサルティングの第1回目では必ずインタビューすることです。
ある店では、店主が急逝したため、若くて後を継いだ時の苦労話、その後お客様に支えられてきたストーリーは、共感を呼びます。
その共感こそが、お客様が店を応援したくなる理由なのです。
全てのお客様が共感することはありません。
全ての人が店に来るわけではありませんから、共感をしたお客様だけに響けば充分です。
こんなに大切なことをHPに書かないのは、大きな損失になってしまいます。
商品についても同じことがいえます。
商品1つ1つには、お客様に美味しく召し上がっていただきたい、そんな社長や店主の思いやこだわりはあるはずです。そのために、素材を吟味して、調理をされているはずです。
鶏料理1つとっても、ブロイラーではなく、名古屋コーチンや比内地鶏などのブランド鶏を使っているのには必ず理由があるはずです。
そのことを思いを込めてお客様に伝えるからこそ、価格が高くても売れていくのです。
商品に対する思いが書かれていなければ、お客様は価格でしか判断のしようがありません。
いまは同じような商品はどこにでも存在します。
商品を差別化するためにも、思いを伝えることは重要なのです。
ある会社では、商品の開発秘話をニュースレターでA4・1ページを使って紹介しました。
すると売り込んだわけでもないのに、紹介した商品の売上は2倍になり、その後もリピータが増え、その商品は売れ続けています。
それだけ、思いに対する共感は売上を押し上げてくれます。
HPやチラシなどの販促ツールは、話をしないセールスマンです。
文章でお店や料理の思いやこだわりを伝えることが売上に結びつきます。
お店はもちろんのこと、出前・宅配ではお客様と接する時間が短いだけに、販促ツールはより重要です。
今一度、貴店の販促ツールに思いがこもっているか、見直してみてはいかがでしょうか?