「なぜイートインの売上も伸びていくのですか?」
と個別相談などで聞かれることがあります。
出前・宅配を本格的に導入すれば、店に来ていたお客様が出前・宅配に流れてしまって、来店客が減ってしまうのではないかと、疑問を持たれることが多いのです。
ところが、出前・宅配で売上を伸ばすと、来店での売上も伸びていきます。
その理由の1つは、
販売促進の効果が出前・宅配だけでなく、来店促進にも及ぶからです。
「長く営業をしているから、お客様は店のことをご存じですよ」とおっしゃる社長や幹部、店長も沢山いらっしゃいます。
店のスタッフは長い時間店にいて、いつも店のことを考えているから、このように思われるのでしょう。
ところが現実には、店のことをご存じないお客様の方が圧倒的に多いです。
たとえば商圏人口が5万人いたとして、果たして何人の方がお店のことをご存じでしょうか?
具体的な数字で考えてみると、「長く営業しているからお客様が知っている・・・」ということも怪しくなってきます。
TVCMを頻繁に流す大手外食チェーンは別にして、店のことを知らないのが当たり前だと思っていた方が賢明です。
どんなに素晴らしい店であっても、店のことを知らなければ、行きようがありません。
また、なかには店があることは知っていても、どんな商品を、いくらで提供しているのかまでは、ご存じないお客様もいらっしゃいます。
でも、商品や価格を知らないということは、不安なんです。
「知らない=不安」ですから、いくらするのか、どんなものが食べられるのかがわからなければお客様は行きません。
それを解消するために、店の存在や商品・価格を販売促進でお客様に伝えることで、今まで来なかったお客様が増えるので、出前・宅配もイートインの売上も伸びていくのです。
2つめの理由は、
商品や品揃えを改善したことが、店の売上に貢献するからです。
出前・宅配を本格的に導入する場合は、現状のメニューの分析を行います。
出前・宅配をすでにやっていれば、出前・宅配メニューと店で提供しているメニューの分析を、これから出前・宅配を始める際には店で提供しているメニューの分析をします。
このときに、せっかくある店の看板素材が活かしきれていなかったり、売れている商品のバリエ-ションが少なすぎたり、価格ラインがバラバラでわかりにくかったりすることに気付くことが多いのです。
他にも店に寄っては、客層に合っていないメニューが多かったり、価格の割には価値観がなかったりと様々なことに気づきがあります。
「今まで考えていたことと違った」「こんなに原価率が掛かっているとは思わなかった」「こんなにメニュー数が多くなくてもよかった」など経営者や幹部にとって、この気づきは大きな衝撃を与えます。
気づきがあると、気合いも入ります。
出前・宅配メニューはもちろんのこと、店内メニューも変更することがほとんどです。すると店内メニューもお客様にとても魅力的に映るようになります。
今まで来なかったお客様が来るようになり、店に魅力あるメニューがあれば、イートインの売上が上がるのは自明の理です。
出前・宅配を本格的に導入する仕組み作りのプロセスは、イートインも含めて店を良くしていくことにもつながっていきます。
さあ、あなたの会社・店でも、出前・宅配を本格的に導入してみませんか?