マクドナルド(マック)、ケンタッキーフライドチキン(KFC)の業績は、コロナ禍にあっても素晴らしいものです。
前年比で110%以上、2019年比でも110~120%とダントツです。
「そりゃあ、デリバリーもテイクアウトもやっているから当然でしょう」と考える方もいらっしゃいます。
しかし、デリバリーをやっていても、テイクアウトをやっていても、コロナ禍で業績が伸びていない店もたくさんあります。
では、業績のいいマック・KFCと業績が伸びていない店の違いは、何なのでしょうか?
デリバリーで考えれば、大きな違いは2つあります。
1つは、デリバリーのコンセプトと仕組みをしっかり作っていたからです。
マックは、2010年12月から用賀インター店でデリバリーの実験をはじめています。
そこで、デリバリーを行って、商品の販売状況や収益から考えて、商品構成や配達料などを決めて、デリバリーの仕組みを作り上げています。
コロナ禍になる前から周到に準備を進めてコンセプトと仕組みを作っていたのです。
弊社の顧問先の店舗様でも、コロナ禍の前から出前・宅配・デリバリーのコンセプトを作ってから、デリバリー用商品の開発などの仕組み作りをしてきました。
そのため、規模はマックやKFCには到底及びませんが、それでも前年比は110%前後で推移しており、2019年比では120~140%の売上になっています。
コロナ禍になったから、付け焼き刃でデリバリーを始めて訳ではありません。
他もやっているから、デリバリーは売れそうだからと短絡的に始めたのではないのです。
来店以外の販売チャネルを複数作って、デリバリーでしっかりと売っていこうと考えていたことが売上を伸ばした理由です。
大きな違いの2つめは、販促活動をしっかりしていることです。
マックの宣伝広告、販促費は年間100億円以上使っているそうです。
キャンペーンのたびにTVCM、ネット、チラシを含めて販促活動をしています。
デリバリーもネットだけでなく、定期的にポスティングでチラシを配っています。
KFCも、TVCM、ネット、チラシなどの販売促進費は売上対比で数%を使っています。
デリバリーは、いわば無店舗販売のようなものです。
いくら店舗があっても、デリバリーをしていることをお客様が知らなければ、オーダーはきません。
そのために、販促費は必要になってきます。
販促費についても、大手だからではなく、中小規模、個人経営の店舗でも絶対に必要です。
マックやKFCのようにTVCMは打てませんが、ネット広告、SNS、チラシなどでの販促は欠かせません。
また、自店デリバリーを行っていて顧客名簿を持っている店は、顧客にアプローチすることで、販促費を抑えて売上を伸ばすこともできます。
マックやKFCが高い売上を維持しているのは、コンセプトと仕組みがしっかりできており、その上で販売促進を継続的にしているからです。
今後、デリバリーは競争が激しくなっていきます。
10月以降もデリバリーが売れている店は、コンセプト、仕組み、販売促進がしっかりできています。
デリバリーで売上を伸ばすために、コンセプト、仕組み、販売促進を見直してみてはいかがでしょうか?