ローソンがゴーストレストランの実証実験を始めました。
このニュースは、ネットでも、新聞でも、テレビ東京「ガイアの夜明け」でも取り上げられています。
実験をスタートしただけで、大きなニュースとして取り上げられるのは、やはり大手の力でしょう。
ローソンがゴーストレストランに参入する目的は、3つだと思います。
1.ローソンの特徴である「店内厨房」の活用
2.コロナ禍で需要が高まるデリバリー市場での事業拡大
3.コンビニ他社との差別化
だだし、ゴーストレストランを展開するにはいくつか課題もあります。
1つが、オペレーションです。
厨房を有効活用する取り組みは、遊休資源の活用につながるため良いと思います。
しかし、機器があっても、オペレーションする人がいなければ充分に機能しません。
現在、ローソンではゴーストレストランで日販3万~5万円を見込んでいるようです。
平均注文単価を2000円とすると1日で15~25件の注文になります。
これが昼間時間帯など一定の時間に集中して注文が入りますから、来店客数が多くなる時間と重なります。
コンビニの人手不足は深刻です。
デリバリーの調理の負担がさらに増えてしまえば、現場は混乱してしまう可能性があります。
オペレーションを円滑に進めるためには、店舗での作業を極力抑えるためセントラルキッチンでの加工は不可欠です。
加えて、店内レジの無人化など店内のオペレーション改革も同時に進め行かなければなりません。
2つめが、商品と品揃え、価格です。
現在は実証実験中ですから、商品群も商品数も多くはありません。
今後は、チキンオーバーライスや海鮮丼だけではなく、中華やカレーなど20ブランドを店名を変えて展開していくようです。
ゴーストレストランを運営する場合、店舗ごとの品揃えの数も売上に関係してきます。
商品数が少なければ売上も多くは見込めません。そのため、一定数以上の品揃えは必要になってきます。
店舗ごとに、どのブランドを扱うかの決定も非常に重要です。
商品の数に加えて、質もとても重要です。
「ガイアの夜明け」では海鮮丼も取り上げられていましたが、あのレベルでは寿司の専門店には到底かないません。
売上アップを図り、リピーターを増やすためには、商品レベルの向上、見た目の美味しさも必要になります。
そして、価格です。
いくら店舗名を変えても、ローソンがやっていることはすぐにお客様にはわかります。
デリバリーコストが上乗せされているとしても、ローソンで販売されている弁当類との圧倒的な差別化ができる商品が必要です。
3つめが、店舗数です。
2023年2月末に関東圏100店舗、2025年度に全国1,000店舗への導入を目標しています。
都市部は、受け入れられやすいゴーストレストランですが、地方では受け入れられていないところもあります。
全国チェーンのデリバリー専門店でも、地域による売上は大きな差があり、思うような売上が上がらずFCを撤退するケースも少なくありません。
地域の所得、商品価格と商品構成の見極めが成功への大きなポイントになってきます。
資本力のあるローソンですから、これらの問題点は解決するだろうと思います。
いくら大手が進出してきても、戦いの場は一定の商圏内です。
自店の強みがしっかりしており、既存客が多くいれば、大手が出店しても恐れることはありません。
必ず勝てますし、いままで勝ってきました。