「これは自店で考えたものなんですよ。自店で作ったので、コストはかからなかったんです」と社長は誇らしげにメニューを見せてくれます。
個別相談などでメニューやチラシを拝見することも多く、自店で作られているケースも少なくはありません。
自店で作るといっても、デザインもコピーも自前で作ることが出来る店はごくわずかです。コピーとレイアウトを考えて、印刷会社などにデザインを依頼しているケースがほとんどでしょう。
自店で内製をすればコストは確かに抑えられます。
しかし、内製のメニュー・チラシでよく出来ているなあ、と思ったことは一度もありません。
売りたい商品がハッキリわからなかったり、
商品ではなくイメージを先行させたり、
大手のまねをしていたり、
店の強みがわからなかったり
と、どこかピントがぼけています。
なかには、商品自体を作り直す必要があると思われるものもあります。
メニューやチラシ、その他販売促進ツールの善し悪しを判断するときに、デザインの優劣を基準にしている訳ではありません。
最も大切な判断基準は、お客様がメニューやチラシを見たときにどう思うのか、もっと言えばそれを見て注文をしたくなるか、ということです。
あるお店から「売上を伸ばしたいのでぜひチラシを作り直してほしい」と出前・宅配用のチラシ制作の依頼を受けたときでした。
扱う商品も同じで、割引やキャンペーンを一切しななかったのですが、チラシのコピーと商品の配置を代えたところ、1週間で90万円売上が伸びました。
売上で90万円伸びたので、粗利率をやや高めの40%としても、粗利益額は54万円増えたことになります。
チラシの制作費が20万円かかったとしても、内製するよりも専門家に依頼した方が粗利益額は34万円多くなったのです。
出前・宅配では、チラシなどの販売促進ツールを見てお客様が注文をするのですから、その善し悪しが売上を大きく左右します。
内製をするのか、外注をしたほうがいいのか、判断する最大のポイントは
どちらの方が利益が多く出るのか、ということです。
自店で販促ツールを作って、売上も利益も伸のであれば、内製の方がコストがかからないだけ、利益はでます。しかし、自店内に販促のプロがいるでしょうか?
大手で宣伝部なり、販売促進部があればまた別ですが、その大手でさえ広告代理店を使っている訳ですから、まずはプロに自店のメニューやチラシ、DMなどの販売促進ツールを診断してもらうことです。
その上で、内製より外注の方が利益が出そうだと思われたら、外注をして売上・利益がどう変わっていくのかを見極めることをおすすめしています。