「『売れない店がやってしまう四つの間違い』の中に新たな商品群を加えてはいけないと書いてあるんですが、複数の品種を扱ってはダメなんでしょうか?」と
拙著「出前・宅配・デリバリーで売上げ・利益を伸ばす法」を読んで相談に来られた社長様からご質問を頂きました。
例えば、寿司が売れなくなったから、カレー、中華、とんかつを新たに導入すれば店全体の売上も上がるだろうと後先を考えずにやってしまうことです。
このように後付けで無計画に品種を増やしていくと、オペレーションが乱れるます。すると配達時間がかかって、お客様からの信頼を失い、売上は下がっていくのです。
販売促進にしても、多種種を扱うのに1つのブランド名や店名にしてしまうと、いかにも昔ながらの大衆食堂感が出てしまいます。
そのため、お客様は「味は期待できないかも」と思わせてしまい、注文が入らなくなってしまう恐れもあります。
あくまでも後付けで無節操に品種を増やすことがダメだということを本に書きました。
当初から複数の品種を扱う予定にしている場合は、店舗や設備のハード面もオペレーションのソフト面も考えます。
また、多新種を扱う場合は、店名やブランド名についてもお客様に美味しさが伝わるような方法を採用しています。
このように準備をして取り組む場合は、複数の品種を扱うことはダメどころか、推奨をしています。
以前の出前・宅配と言えば、ピザと寿司が二大商品でした。
今は、カレーにとんかつ、釜飯、ハンバーグ、唐揚げ等、ありとあらゆる商品が出前・宅配されるようになりました。
しかし、都心部を除いては、一つの品種だけで月商100万円を超えるのは、ピザや寿司を除けば決して簡単なことではありません。
出前・宅配で月商300万円を超えるためには複数ブランドを扱わないと経営的には難しいのが現実です。
実際に、ピザの宅配チェーンもパスタにパエリアを扱っています。
寿司チェーンは釜飯を扱っている店が多くなっています。
複数の品種を扱えば、厨房機器や人件費なども共通化できるので、売上が伸びるのに比べて、経費は掛かりません。
そのため、これからの時代は、二つ以上の品種を扱う「ハイブリッド展開」で経営することが必要です。
また、販売チャネルを増やすことも「ハイブリッド展開」だと考えています。
出前・宅配専門店が持ち帰りを導入することも、
イートインのお店が出前・宅配を行うことでも、販売チャネルが広がります。
イートインのお店が出前・宅配を行えば、仕入も、厨房設備も、人件費も全て共通で使えます。
それで売上が伸び、経費が抑えられれば、利益は大きくなります。
これからの出前・宅配で売上利益を伸ばそうとお考えならば「ハイブリッド展開」は必須です。