出前館の決算から考える宅配での利益の出し方

出前館の赤字決算のニュースが、日経新聞にも、YAHOOニュースにも出ていました。
売上高は前期比55%増の103億円でしたが、最終損益が41億円の赤字です。

報道によれば、赤字の原因は、販促費と宅配員の待機スペースの整備の費用がかさんだからだといっています。

このニュースを見て、YAHOOニュースには多くのコメントが書き込まれていました。

3000件近いコメントが書き込まれるほど、出前館やウーバーイーツには関心があるんですね、正直なところ驚きです。

全てを読んだわけではありませんが、コメントは面白く拝見致しました。

ウーバーイーツは配達員の対応が悪いが、出前館は対応がいい、そんな意見も多くありました。

ウーバーイ-ツとの競争の勝つために積極的な投資をしているから赤字は先々を見込んでのものだ、というコメントまでありました。

需要が伸びていて、競争相手に勝とうとすれば、積極的な宣伝広告戦略は必要です。
宅配拠点も作らなければ、売上は伸びていきません。

しかし、経営的な視点で最も気になったのは、デリバリースタッフの勤務時間です。

出前館でアルバイトをした方のコメントでは、14時~17時の注文の少ないときにも配達員が待機していて、給料が支払われていると書かれていました。

配達しないで待機しているだけで給料がもらえた、など他にも同じようなコメントも多かったのです。

一方で、地域的なバラツキはあるものの、平日の18時に出前館が宅配代行をしているエリアの配達時間が120分ということもありました。

これではお客様の要望にも答えられませんし、会社としても売上に繋がりません。
完全に売り逃しになってしまっています。

宅配で利益を出すためには、デリバリースタッフをいかに効率的に使うかに掛かってきます。

これは出前館だけに限らず、自店デリバリーでも同じです。

注文のない時間にデリバリースタッフを置いておいたら、利益はでません。

忙しいときに集中してデリバリースタッフを増やして、注文の少ない時間帯は宅配をしないのも利益を出すためには必要です。

自店デリバリーをしている店では、平日の14~16時は宅配をしていないことが多いのは、経費が掛かる割に売上が伸びないからです。

出前・宅配・デリバリーは労働集約型産業です。
売上を伸ばそうとすれば、人手も増やさなければなりません。

しかし、人数を増やしただけでは、売上以上に経費がかさんでしまいます。
最も利益が出るのが、デリバリースタッフの数を時間単位でコントロールすることです

デリバリースタッフの待機時間を少なくすれば、利益は出ます。

平日は売上予算から考えて時間帯別にシフト表を作って、ギリギリの人数でデリバリーを回すこと。

土日祝は、注文が集中する時間帯に、人員も集中させて、一人に2~3件同時にデリバリーさせること。

これができれば利益は出ます。

もちろんそのための細かなノウハウはありますし、効率よくデリバリースタッフを回すためにパソコンのソフトを導入することも考えられます。

出前・宅配・デリバリーで赤字になってしなう大きな原因の1つが、デリバリースタッフを多く使いすぎることです。

出前・宅配・デリバリーで利益を出している店は、デリバリースタッフのコントロールがうまく出来ています。

他にも利益を出すためには様々な要因はありますが、デリバリーコストは利益を左右する重要なポイントであることは間違いありません。

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう