利益を生み出す基本の「キ」

違う業界だからこそ学ぶことがあるだろうと、知人が工場長を務める工場を見学させてもらいました。

工場内はとてもきれいで、部品や道具の整理整頓が行き届いています。

工場内ですれ違う社員の皆さんもちゃんと挨拶をしてくれます。

そして、トイレも清潔で、スリッパもきちんと整えられていました。

 

「とても素晴らしいですね」、そんな感想を工場長に伝えると、

「整理・整頓・清掃・清潔・躾けは、単に工場をきれいにするだけではないんですよ。

品質や生産性の向上をさせるためのベースなんです。とても大切な生産管理の1つです」とおっしゃいました。

続けて「ご存じだとは思いますが、整理・整頓・清掃・清潔・躾けは『5S』といいます。

案外勘違いをされているのが、整理です。
整理とは、必要なものと必要でないものを区別して、不要なものを処分することです

整頓は、必要なときに必要なものがすぐ使えるようにして、決められた場所に準備していくことです。
必要な物を探すのに時間がかかってしまうと、時間が無駄になり、生産性が落ちてしまいます」

「必要な物についた異物や取り除くことが清掃です。
清掃ができていなければ、ゴミが製造過程に入り込み、不良品が増えてしまいます。

そして、整理・整頓・清掃・清潔を確実に実行するためには、社員の教育は欠かせません。

トイレのスリッパを全員が揃えられるようになるまでには、私と総務課長で様々な取り組みをしてやっとできました。教育(躾け)をするには時間がかかります」と。

どれも経験者が語る含蓄のある言葉です。

 

飲食業においても、同じ事がいえます。

売れている店、利益の出ている店は、ストックがきちんと整理されています。

不要な在庫は処分をされており、どこに何がどれくらいあるかも把握しています。

だから、余計な仕入れをすることはなく、余分な在庫を持つこともありません。

お店も厨房もきれいです。
食材や道具は置く位置が決まっています。そして、使い終わったらまた元の位置に戻しています。

清掃はもちろんのこと、清潔は衛生管理に直結しますから、徹底されています。

大切なのは、普段から当たり前にできるように社員に教育をしていくことです。
そして、繁忙期こそ、きちんと実行ができています。

他業界からこそ、気付けること、学べることがたくさんあります。

製造業も、飲食業も、基本は同じです。

基本が確実にできていることが、売上・利益のベースを作る基本の「キ」です。

 

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