他社の成功事例は参考になりますが、真似をしたからといって成功するとは限りません。
それは、会社や店の歴史や立地、客層などによっても、経営者の考え方によっても違ってくるからです。
ところが、倒産した事例を真似すれば、ほぼ確実に同じ道を歩むだろうと感じています。
そう思ったのは「なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則」(日経BP社)を読んだからです。
今までコンサルティングをしてきて、本に出てくるようなケースも見聞きし、経験してきました。
売上低下に悩んでいた時にコンサルティングを依頼されて、業績が上がったことでコンサルティング契約は終了したお店があります。
ところが、これでほっとしてしまったのか社長は高級外車をはじめとして分不相応な贅沢な生活に慣れてしまい、また店の経営が傾いたと聞きました。
他にも、経営者の慢心でせっかく業績がよくなったのにも関わらず、倒産に追い込まれる危機を招いてしまった例もあります。
業績が好調だったために、直営店を一気に複数出店した会社がありました。
しかし、出店ペースに人材育成が追いつきません。結局、店のオペレーションが混乱して利益どころか赤字が続き、新店舗の多くを閉鎖することに。
運良く倒産には至りませんでしたが、その後立て直しのお手伝いをさせていただいたこともありました。
売上・利益が伸びた成功体験が会社・店を滅ぼすこともあります。
旧態依然の方法で運営しているため、時流に取り残されてしまい、売上が伸びずに苦戦をし続ける店もありました。
わざわざ個別相談にいらっしゃったのですから、何かを変えようという意思はおありになったのでしょう。
それでも、変えられなかったのは、過去の栄光が邪魔しているのかもしれません。
さらに業績をアップさせるため、業績の悪化を食い止めるために、新規事業を行う会社もあります。
ある会社では、某企画会社に勧められて、全く経験のない業種に参入をしました。
ところが、利益が出るどころか、赤字が垂れ流される一方です。
このままでは倒産しかねないと、危機感を持った社長は、新規事業から撤退をすることを決定しました。
その後、この会社から依頼されてコンサルティングを行い、本業の業績が回復できました。
倒産にまでには至らなかったにせよ、業績が悪化した会社に共通することは、好調な時期があったのです。
ところが、経営者の慢心や怠慢が危機を招くこともあれば、よかれと思って行ったことが経営判断のミスになることもあります。
事例を読んでいくと、倒産にいたる道のりには共通項があるようです。
それを回避する一つの方法が、本業の強みを活かすことが挙げられます。
飲食店で考えれば、安全に強みを活かしていく方法が、出前・宅配です。
これならば、投資も少なく、確実に売上がプラスオンできます。
いま、デリバリーは追い風です。
チャンスに出前・宅配に本格参入するのは、素晴らしい経営判断です。