商売にとって、売上が伸びていくことはとてもいいことです。
来店のお客様が増え、出前・宅配の注文も多く入れば、もういうことはありません。
ところが、お客様や出前宅配の注文が増えてくると当然のことながら厨房はてんてこ舞いです。
順調にオーダー伝票を消化していければ問題はないのですが、忙しいときほどトラブルも起こりやすくなります。
素早くオーダーを仕上げようと伝票の内容を早とちりして、オーダーとは違った商品を作ってしまったり、具材の入れ忘れ、お客様の嫌いな具材の抜き忘れなどが起きることもあります。
これがお客様のお手元に届く前に、店がチェックできればよいのですが、そのままお客様の元に届いてしまうと大変です。
なかには何も言わない優しいお客様もいますが、オーダーやメニューと内容の違った商品が届けば、お客様からお店に電話が入ります。
それも忙しい時間帯に、です。
電話を受けた担当者は、お客様からのクレームを責任者に伝えます。
すると、責任者からミスをした担当者に叱責が飛び、店全体に悪い空気が流れます。
責任者も忙しい上に、ミスがあるのでイライラは増していき、その後の口調はきつくなって行くばかりです。
そこに、出前・宅配の催促の電話が入ってくると、厨房の雰囲気はさらに殺伐としたものになります。
叱られなかったスタッフもこの雰囲気を肌で感じ取り、緊張して身体が硬くなっていきます。
すると、さらにミスが起きる悪循環を招いてしまうことに。
こんな職場では、長期的に見れば売上は下がっていくことが多いのです。
そして、短期的には、アルバイトの離職率が高くなって、店は回らなくなってしまいます。これが最も大きな打撃です。
ところが、顧問先の店舗では、アルバイトの定着率が高く、売上も伸びており、雰囲気がとてもよいのです。
どんなに忙しい時間帯でも、冗談も言えるくらい、いい雰囲気で働いています。
この違いは何かといえば、アルバイトの定着率がよいので、それぞれが業務内容を充分に理解しており、ミス自体が少ないのです。
さらに、お客様に商品をお届けする前のチェック体制が仕組みとして出来ています。
商品の最終チェックは、店や厨房の責任者の大切な仕事です。
伝票と商品を確認して、商品や具材が違っていれば、作り直しの指示を出しています。出前・宅配では、届いたときも見た目も美味しさを左右する重要な要素です。
社長は「お客様が当店の商品を召し上がって、笑顔になって頂くためには、まずスタッフが楽しく働けていることが必要」とのポリシーを持っているからです。
当然、教育もしっかりしていますし、ときには理由を説明してスタッフを叱ることもあります。
それでも、スタッフの定着率がいいのは、社長と店長とスタッフの信頼関係がしっかりと出来ているからです。
あなたのお店の繁忙時の雰囲気はどうなっているでしょうか?