ガソリンが値上がりし、人件費も高騰、原材料費や備品なども軒並み値上がりをしています。
これだけ値上がりすれば、商品価格も値上げしたいところです。
しかし、なかなか値上げに踏み切れません。
値上げをしたら売上が下がる?
そんな不安がいつも頭をよぎります。
2017年に鳥貴族が値上げをしました。
280円を298円へ約6%、金額にして18円の値上げです。
値上げをした結果、客単価は約4%上がりました。
しかし、客数は15%減少し、結果として売上は下がったのです。
報道でも鳥貴族の値上げは取り上げられていたので、覚えている方も多いと思います。
やはり値上げは売上を下げてしまうのでしょうか?
決してそんなことはありません。
値上げをして売上を伸ばした3つの秘訣
値上げをしても、売上を伸ばした顧問先があります。
すでに3年間で2回の値上げをして、それぞれで売上を伸ばしました。
主に、値上げをするには3つの方法があります。
1.商品の内容を変える
2.食材の重量やポーションを下げる
3.そのまま値上げをする
しかし、顧問先では、商品内容はこれ以上変更したくないし、商品の完成度が高いため、そのまま値段だけを上げたのです。
値上げを成功させた秘訣は、タイミングと商品と価格帯の3つでした。
タイミング
タイミングとしては、値上がりのニュースがマスコミで連日報道しているときを狙います。
お客様は、いろんなものが値上がりしているから仕方ないと納得をしてくれる可能性が高くなります。
もう一つは、閑散期に値上げはしないことです。
閑散期に値上げをすると市場全体の需要が落ちるため、値上げをすると客数は減ります。
商 品
商品は、他店と差別化されていること、他店が扱っていない商品であることが重要です。
他店でも同じような価格で、同じような商品が食べられたら、値段の安い方にお客様は流れます。
差別化できていない商品の値上げをすれば、売上は下がる可能性があります。
他店にはない特徴のある商品であれば、値上げをしてもお客様からは支持されます。
価格帯
価格帯は、高い価格帯は値上げをしても売上は減りにくいのです。
鳥貴族のように単価が安い商品は、お客様は価格に敏感に反応します。
ところが、高い価格帯商品は少しばかり値上げをしたところで、お客様は気にしていません。
出前・宅配・デリバリーは、宅配料がかりますから、店で食べるよりも割高です。
経済的に余裕があるお客様もしくは価格をあまり気にしない利便性を重視するお客様が利用しています。
そのため、来店よりも値上げはしやすい環境にあります。
そうはいっても、値上げをしても絶対に売上が下がらないとは言い切れません。
一時的に売上が下がることもあります。
それでも商品と価格帯が値上げしやすい状態であれば、3ヶ月もすれば売上は元通りに戻ります。
3つの条件がそろっていても、値上げは慎重に行っています。
その店の商品、価格帯、値上げの時期、競合店、客層を分析して、はじめて値上げは成功を納めることになるのです。