出前・宅配・デリバリーをしていて、売上が思うほど伸びていないと感じたら、やっていただきたいことがいくつかあります。
商品や品揃え、価格や価格帯を見直すことはもちろんのこと、配達時間を短くすることも大切です。
販促の効果を測定して、販促ツールの修正や販促の頻度、また使用する媒体を検討する必要もあります。
そして、もう一つ大切なのが、商圏の見直しです。
商圏の見直しといっても、方法は2つあります。
1つは、商圏の広さ。
もう1つが、商圏の特性についてです。
出前・宅配・デリバリーは商圏の広さで売上が変わってきます。
商圏を広く取れば、売上も上がりやすくなりますが、デリバリーコストや販促費など経費もその分だけ多く掛かります。
商圏を狭くすれば、経費は抑えられますが、対象とする世帯数が少なくなるため、売上は大きくは望めないことが多くなります。
しかし、商圏を広く取っても売上が上がらない店もあれば、狭い商圏でも大きな売上を上げている店もあります。
その違いは、商圏効率の善し悪しです。お店で言えば客席回転数と似たような考え方です。
同じ客席数ならば、回転の速い方が売上は高くなります。
出前・宅配・デリバリーの場合は、商圏が同じと仮定すれば、より多くの注文が入いるほうが商圏効率がよいといえます。
商圏効率こそが、商圏の特性です。
競合店や商圏内の所得水準、商圏の行事や習慣、住宅形式(マンション・一戸建て等)など様々な状況で変わってきます。
これらを知るためには、自店の商圏内の状況や地域性をよく知ることが必要です。
そのために、商圏内を歩いてみることをおすすめしています。
歩いていると街の雰囲気がわかります。
自営業者や中小の事業者が多いのか、マンションが多いエリアなのか、これだけでも売上に大きな影響があります。
もしも、マンションが建築中であれば、完成時期や販売価格などは調べればわかるので、新規客を獲得する大きなチャンスです。
しかし、分譲マンションだからといって出前・宅配・デリバリーの注文が多いとは限りません。
住宅ローンを支払うのが精一杯で、とても外食や出前・宅配にお金を使えない事情を抱えている家庭もあります。
それは、比較的価格の安いマンションに多いのです。
逆に賃貸マンションや公団、都営・県営団地からの注文が多かったりすることもあります。
歩いていると、掲示板に気付くこともあります。
掲示板には、地域のお祭りや行事やイベントが告知されています。
地域の状況を知っているだけで、売上を上げる対策がわかってくることも。
飲食店が新しいメニューやサービスを始めたことも、新規に店が出来たこともわかります。
商圏の特性を知ることは、地道な仕事ですが、これが意外に出来ていないことも多いのです。
ある社長は、出前・宅配・デリバリーをはじめた当初、自らチラシをポスティングしながら商圏内を歩いたことがありました。
地道に商圏のことを知る努力をしていると、売上も上がっていきます。
そして、商圏でのシェアを大きく伸ばして、地域一番店になっていけるのです。
梅雨が明けたら、ペットボトルの水を持って商圏内を歩いてみませんか?