仕組みに磨きをかける

「この商品、見た目もいいですね」と宅配用の商品開発をしていたときの幹部社員の発言です。
商品作りをしていて、店のスタッフが「いいね」と言わなかった商品は、殆ど売れません。

「これは売れそう」だと感じた商品は売れることが多いのです。
ただ、何事にも例外があります。

「これはいけそうだ、売れるよ、きっと」と思った商品でも、残念ながら予定した数量を下回ることがないわけではありません。

予定の売上を下回ったときにこそ、どのような対応していくかが、出前・宅配・デリバリーで売上を伸ばしていくための絶対条件です。

先ずやるべきことは、なぜそうなったのかを分析することです。

・商品の味はどうなのか?

・商品の価格はどうなのか?

・品揃えはどうだったのか?

・調理方法はどうなのか?

・ボリューム感はどうなのか?

・販売促進はどうだったのか?

・包材はどうだったのか?

・エリアごとに販売の差があったのか?

などなど、分析をする項目はたくさんあります。

商品を作る時には、その商品の意味、品揃えに加える価値などを考えています。

しかし、それが目論見通りに行かなかったわけですから、売れなかった原因が必ずあります。

ある店では、新規のお客様からは注文が多く入るのに、殆どリピートしない商品がありました。

初めて注文するお客様には売れる商品がリピーターに売れない原因の多くは、販売促進や品揃えではなく、商品自体に問題があります。

試食をしても味には問題がありませんでした。

しかし、この試食こそが問題です。

出前・宅配・デリバリーは店とは違って、できたてを食べられるわけではありません。

最短でも出来上がって配達時間が経過してから、お客様が召し上がる訳ですから、その間に商品が劣化する可能性があります。

肉類は時間が経過すると、乾燥して脂っこさを感じてしまい不味くなってしまいます。
これを放置してしまうと、お客様はどんどん店から離れていってしまい、店の評判すら落としかねません。

この店の宅配用レシピでは、脂を控えて調理をすることが書かれていました。

しかし、店で出す商品と同じような調理をしたために、お客様にお届けしたときには商品が劣化していたのです。

調理をしたスタッフに悪くはありません。
店としての宅配の仕組みが機能していなかったと考えるべきです。

出前・宅配・デリバリーの仕組みは、確実に運用してこそ仕組みとして機能します。
さらにいえば、その仕組みも社会状況やお客様のニーズに合わせて進化をさせていくことが必要です。

出前・宅配・デリバリーで売れている店は、仕組みを作ったあとに、仕組みに磨きをかけています。

商品を新たに追加していくこともあれば、品揃えからなくす商品もあります。

エリアを拡大したり、縮小することもあります。

配達時間を短縮するために、ITを活用することもあります。

 

コロナ禍に襲われた3~5月に売上前年比を超えたのは、マクドナルド、KFC、モスバーガーなど、以前からデリバリーの仕組みづくりに取り組んできたところばかりです。

マクドナルドは2010年12月に用賀インター店で宅配の開始し、1回当たりのデリバリー金額を高めるメニューづくりや配達料の有無などの実験を行って、宅配の仕組みづくりに磨きをかけ続けています。。

2020年5月、外出自粛制限によって「巣ごもり消費」による特需、いわゆる出前・宅配・デリバリーバブルが起きました。

6月以降も売上を伸ばしているのは、出前・宅配・デリバリーで売れる仕組みを作って、磨きをかけているところばかりです。

あなたのお店でも、出前・宅配・デリバリーで売れる仕組みを作って、来店以外の新しい売上の柱をつくりませんか?

 

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