ウーバーイーツや出前館への問い合わせが殺到しているそうです。
数ヶ月待ちになっているという話も聞きました。
外出自粛要請が出て以来、飲食店の売上は減少しています。
新たな販路として、テイクアウトやデリバリーに目が向くのは当然のことです。
確かに、3月~GWまではデリバリーの売上は好調でした。
では、デリバリーをしている店全部で売上が伸びていたのでしょうか?
全くデリバリーをしていなかった店が始めれば、売上はプラスされます。
しかし「ウーバーイーツを始めたけれども、1日に数件注文が入ればいい方だ」こんな話も耳にしました。
ウーバーイーツのサイトを見れば、大手チェーンがずらりと並んでします。
その中から選ばれるのは、簡単なことではありません。
付け焼き刃で、デリバリーを始めたからといって、全ての店で売上が伸びるわけではありません。
一方で、デリバリーで大きく売上を伸ばした店もあります。
マクドナルドは4月20日以降、13都道府県約1910店舗で店内の飲食を中止しました。
それにも関わらず、既存店の前年売上比は106.5%と売上を伸ばしています。
テイクアウト、ドライブスルー、デリバリーが大きく貢献しました。
すかいらーくグループは、デリバリーが26%伸び、テイクアウトも2倍になっています。
弊社のご支援先も、具体的な数字は申しあげられませんが、出前・宅配・デリバリーが伸びています。
これらの事例を見ていくと、緊急事態宣言が派出された2020年4月にデリバリーで売上を伸ばした店には共通点あります。
それは、デリバリーで売れる仕組みを作り上げてきた店です。
マクドナルドは、2011年から自店デリバリーを始めています。
すかいらーくグループは、1998年から「ルームサービス」という名のデリバリーの実験を始めています。
ご支援先も1年以上前に、出前・宅配の仕組みを作り上げました。
コンセプトづくりから始まって、商品や品揃え、価格帯、商圏、販促、注文の受け付け方や配達方法、リピーター化などを修正しながら作り上げてきたからに他なりません。
GWが終わり、緊急事態宣言の出口戦略も見えてきました。
しかし、飲食店の営業が、全てコロナ前に戻るとは考えられません。
椅子と椅子の間隔を広げるなどして、社会的距離を守っての営業になれば、客数は減らざるを得ません。
客数が減った状態で、コロナ前の売上に戻すには、客単価を上げるのが1つの方法です。
もう一つは、テイクアウトやデリバリー、ケイタリング、通販など、もう1つの販売経路を持つことです。
いづれにしても、しっかりとした仕組みを作り上げて行かなければ、売上のアップは望めません。
GWまでは、デリバリーに追い風が吹いていました。
しかし、今後緊急事態宣言が解除された後も、そのままの追い風が吹き続けるとは思えません。
これからは、デリバリーへ参入する競合店も増えてきます。
もし、デリバリーで売上を本気で伸ばしたいなら、ぜひ知っておいてただきたいことがあります。
ウーバーイーツなどの宅配代行業を利用する場合でも、自店でデリバリーをする場合でも、売上を伸ばすためには、激しい競争の中で、勝ち残って行かなければなりません。
そのためには、マクドナルドやすかいらーくグループもそうであったように、
コンセプトづくりから始まって、商品や品揃え、価格帯などを含め、
出前・宅配・デリバリーで売れる仕組みづくりをすることが絶対条件です。