毛玉の着いたスカートをボタンが取れたからと返品に来る客、
自分で落としたケーキを崩れているから返金しろという客、
中とろが固かったから、詫び状を書けと強要をしてくる客。
これらは実際にあったクレームです。
ウールのスカートに毛玉が着くのは、ある程度の期間履かないとできません。
長くはいていればボタンが取れることもあります。
それでも平気な顔をして返品に来る客の無神経さには驚きます。
ケーキを買って箱に詰めてもらったあと、客が歩いているときにケーキを落としました。
箱を開けて崩れたケーキを確認してから、客は店に戻って返金を要求したのです。
客の過失なのに責任を店に押しつけています。
中とろが固かったと食べてから2週間以上経ったあとクレームを入れてきました。
これでは状況すらわかりませんし、固い柔らかいは個人の主観です。
さらに詫び状を書けとまで強要をしてきます。
モンスターカスタマーやクレーマーはニュースやネットで話題になっています。
クレームをつけている客は、困ったことに正当なことを主張していると勘違いしている人もいます。
悪質なのは、明らかにいちゃもんなのに不当に利益を得ようとするクレーマーです。
不良品や明らかに店に落ち度があるような正当なクレームであれば、店としてもきちんと対応が出来ます。
しかし、いわゆる言いがかり的なクレームやモンスターカスターには、対応のしようがありません。
さらに、店のスタッフが精神的に追い詰められて疲弊をしてしまい、店にとっては大損害なのです。
本来商取引は、買い手と売り手は平等のはずですが、
客側はお金を払っているから、自分は偉いんだ、お客様は神様だと勘違いして、立場の弱い者が反撃をしてこないことをいいことに、とんでもないクレームを平気でぶつけてきます。
店側としての対策はクレーム対応方法をルール化して、アルバイトにまで徹底しておくことです。
あるお店では、クレーム対策プロジェクトを発足させて、クレーム対応マニュアルを作りました。
過去にあったクレームを棚卸しして、その程度に応じて、対応方法や対応する役職を決めました。
クレーム対応の基本は、まずはお客様の話を聞くこと。
クレームの内容が明確にならない限りは「不快な思い」に対しての謝罪のみをし、お客様のクレームに対しては謝罪をしない。
対応する責任者がいなければ、後で対応するようにするなどのルールを決めました。
そして、最近多いのは「ネットに書き込むぞ」と言われることです。
そのときの慌てずに「お客様がお感じなられたのならば、私どもに止める権利はありません」と笑顔で答えます。
「書き込みは止めてくれ。そのかわりあなたの要求はのみます」と言われると客は思っていたのに、
「どうぞご自由に」と言われれば、客の思っていることと対応が違って、気勢がそがれます。
実際に書き込まれてしまっても、書き込みの内容が営業妨害になるようであれば、訴訟をすればいいのです。
悪質なクレーマーに対しては、毅然とした対応をすることが重要です。
責任者は「私では対応しかねますので弁護士に相談してご連絡します」と言ってもいいでしょう。
土下座を強要するなり、謝罪文をしつこく要求する場合には、強要罪に該当する恐れがあるので、警察に連絡するのも方法の1つです。
これも店側は反撃してこないと客は思っているので、反撃された客はたじろいでしまいます。
責任者が悪質なクレーマーに毅然とした対応をすれば、スタッフからの信頼もあがります。
とはいっても、悪質なクレームはないに越したことはありませんが、クレーム対策はルール化しておくことをおすすめします。