2019年10月の消費税増税まで、1年を切りました。
2014年4月に消費税を5%から8%にアップしたときには、消費は相当落ち込んでしまいました。
実質消費支出は、2014年が-2.9%、2015年が-2.3%、2016年が-1.7%と大きく下がったのです。外食チェーンの2014年の前年比を調べても、売上は下がっています。
このような消費の落ち込みを回避するために、政府は様々な方策を考えています。
クレジットカードを使用した際に2%のポイント還元をするとか、プレミアム商品券を発行するとか、何とかして対策を講じようとしています.
しかし、1年後のことが決まっていないのは、行き当たりばったりとしか言いようがありません。困るのは政府ではなく、実務を扱う民間企業なのですから。
かといって、指をくわえているだけでは、何も解決できません。
過去3回の消費税率アップ時には、確実に消費が落ち込み、売上も下がっているのは事実です。
しかし、私の顧問先では、2014年4月に消費税率がアップしたにも関わらず、売上を伸ばした会社・店舗様があります。
その理由は、出前・宅配を本格的に導入したからです。
新たに販売経路を増やすことで、新しいお客様も獲得できますし、売上も伸びて行きます。
大切なことは、出前・宅配を売れる仕組みとして取り入れることです。
単に、出前・宅配を始めましただけでは、売上は大きくは望めません。
2014年当時、軽減税率はありませんでしたが、2019年の増税時には出前・宅配は軽減税率が適用されて8%のままです。
かといって、増税によってイートインが敬遠されて、お客様の多くが税率の低い出前宅配に集中する訳ではありません。
それでも、出前・宅配があれば売上を伸ばすことが出来ますから、出前・宅配を導入するには絶好のチャンスなのです。
ただ、出前宅配は、始めてすぐに売上がドカンと上がる訳ではありません。
イートインの場合は、新規開店で販促をすれば、店に行列ができて、売上は開店当初からピークにすることができます。
しかし、出前宅配の場合は、始めてから徐々に売上が伸びて行くことが多いのです。
前年比120~150%が何年続く店もありますし、毎月20%ずつ伸びて行く店もあります。
そのため、消費税増税を迎える1年後のために、今から出前・宅配本格導入の準備をはじめることをおすすめしています。
1つは、出前・宅配で売れる仕組みを作る準備期間が必要だからです。
自店の強みを活かした売れる商品や品揃えを作りあげ、販売促進や製造やデリバリーなどのオペレーションを実行する時間が必要になります。
それらの仕組みをよりよきものにするためにもある程度の期間は考えておくべきだからです。
もう1つは、常連客やファン客を増やすためには一定の期間が必要になるからです。
1回だけの注文ではなかなか常連客やファン客は増えていきません。
前回のコラム「コミュニケーションの本質」でも書いたように、まずは基本を守って行くことに加えて、情報を発信することで共感を得ていくことが常連客やファン客を増やします。
同じDMを出したとしても、常連客・ファン客の反応率は20%を超えていても、数回利用したお客様の反応率は8%になり、店のことを知らないお客様では、1%前後になってしまうのです。
1人でも多くの常連客・ファン客を作ることが消費税が増税されても売上を支えてくれる大きな味方になってくれるのは間違いありません。
消費税が増税されても売上を伸ばす出前・宅配の本格導入をするチャンスです。
さあ、あなたの店でも出前・宅配の本格導入してみませんか?