それは社長、あなたの責任です。

「今月は予算に少しだけ届きませんでしたが、来月は頑張ります」と店長が言えば
「来月は絶対に予算を達成するんだぞ」と社長が発破を掛けます。

こんな会話をしている会社や店であれば、売上や利益は伸びて行かないのは目に見えています。
業績を伸ばすには、数値を使って話をしなければ、対策の打ちようがありません。

「少し届きませんでした」の「少し」とはどの程度でしょうか?

ある店長は予算に2%届かなければ「少し」と言うでしょう。
別の店長は20%以上届かなくても、責任逃れをしたいがために「少し」と言うかもしれません。

どちらにしても、「少し」という表現は、個人の主観で捉え方が全く違います。
この報告を聞いた経営幹部も一人一人の受け取り方が当然違ってきます。

同時に店長は「頑張ります」と言っていますが、果たして何を頑張るのでしょうか?

食材の変更をする、配達時間の短縮する、販促を強化する、人員を増やす、など具体的な対策が何一つわかりません。

聞いている経営幹部も具体的は方法論無しに、「頑張ります」の精神論だけで納得してはいけません。

このままでは「予算がいきませんでした。次は頑張ります」の繰り返しです。

そして、店長は何の対策も打たずに時間だけが過ぎていき、業績はどんどん下降線をたどっていきます。

景気のよいときにはこれでも、売上は伸びていったかも知れません。
でも、今は通用しません。

問題は店長にもありますが、もっともっと根本的な問題がこのような会社・店にはあります。

それは、数字を使わなくてもよい、精神論でよい、組織風土が会社・店にあったからです。そんな風土を作ってしまったのは社長です。

普段から社長が売上や利益に対して、数字で関心を示さない以上部下は数字で語ろうとはしません。

売上が悪くても「頑張ります」で許してきてしまったのは、社長です。
全ての責任は社長にあります。

人間の多くは、楽な方を選びますから、面倒なことはしたくないと考えます。
しかし、大切なことであれば楽しくやりがいの持てる環境を作ることが社長の大切な仕事です。

私は新入社員で入った会社は、毎朝部長から電話があって、月の売上高と進捗率、昨日の部門別の売上と在庫高を聞かれていました。答えられなければお目玉を食らっていたのです。

当時は「何でこんな面倒なことをやらなければいけないんだ」と思っていましたが、数字で考えることを教えてくれた部長に今は大変感謝をしています。

よりよい風土に変えていくには、社長が変わるしか方法はありません。
社員の前でこれまでのことを反省し、これからの会社・店のビジョンを自分のこころから染み出る言葉で語ることです。

大切なのは、社長の決意と本気度です。
時間が掛かることもありますが、社長が変われば確実に売上・利益は伸びて行きます。

 

 

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