「私が店を引き継いだ時には赤字だったのですが、やっと黒字になりました」と話す飲食店の社長が個別相談にいらっしゃいました。
話を詳しく聞いてみると、先代から社長を継いだ時には赤字だったのが、自分の代で黒字にできたそうなのです。
それでもご相談にいらっしゃったのは、店には常連さんは多いのですが、新規のお客様がほとんど来ないので何とか増やしていきたいという内容でした。
商売をしていく上で既存客はとても大切ですが、新規客を増やしていかないと先細りになってしまいます。
新規客が増えない理由は店によって様々ですが、多くは下のようなことが考えられます。
1.商品に魅力を感じない
2.お客様が店や商品のことを知らない(店が伝えていない)
3.ネット上での評価が悪い
4.立地が悪い
5.その他
お店のリーフレットを持ってきていただいたので拝見すると、これだけで新規のお客様がこないことがわかりました。
その1つが、商品に魅力を感じないこと。
もう1つはリーフレットが古臭くて店のイメージがよくないことです。
黒字化できた要因を伺ってみると、長くお付き合いをしている税理士の先生に「原価を下げなさい」と指導されたので実行したからと言われました。
確かに原価率を下げれば粗利益率は増えますが、商品の価値が下がり、売上自体が下がってしまうことがよくあります。
そこで、売上を聞いてみると、やはり以前よりも下がっています。新規客だけでなく、売上が減少していることにも社長は不安を感じていました。
この店がある立地や商圏を考えれば、もっともっと売れてもいいはずです。
利益が出ても売れなくなったのは、売上を上げるために絶対にやっていけないことの1つである、原価を一律に下げる、ことをしてしまったからです。
商品づくりや商品構成を考えるときには、あえて原価率を高めに設定する商品もあれば、原価率を抑えて利益を出す商品もあります。
それらを組み合わせていくことで、お客様の満足度を高めつつ、売上高と利益高を伸ばしていくことができるのです。
商品や品揃えを変えれば、売上・利益も大きく変わってきます。そして、客層も変わっていきます。当然、新規のお客様も増えていきます。
売上と利益を上げる商品づくりができるのは、その業界なり、商品なりに精通している専門家であり、その道のプロです。売上の根幹をなす商品づくりを素人には相談してはいけません。
税理士の中には飲食業に精通した方もいらっしゃいますが、その多くは税務のプロです。
税務や会計、資金繰りなどについては、どんどん相談していただければよいと思います。私どもの会社も、非常に優秀な税理士に税務・会計の顧問をしてもらっています。
中小企業では、長くお世話になっていれば信頼関係もできているでしょう。
だから、税理士にいろんな相談をすることも多いのでしょうが、税理士の中にも相続を得意な方もいらっしゃいますし、資金繰りや銀行交渉などに長けている方もいます。税理士にもそれぞれの専門分野があります。
税理士に専門分野以外の相談をされるのであれば、問題を解決できるその道のプロの紹介を依頼するのが最もよい方法です。
その道のプロは会社やお店の業績をあげる重要なパートナーです。ぜひ上手に活用してください。
私どもにもコンサルティング先の会社様から「おけがで、売上も上がり、原価率も下がって、税理士からも褒められました」そんなうれしいご連絡を頂いています。