「繁忙期の売上を伸ばすために、既存のお客様へDMを出そうと考えていますが、RFM分析はどうのように活用したらいいのでしょうか?」とクライアントの社長から質問をいただきました。
DMの反応率を上げていくためには、DMの表現や内容、インセンティブなども関係しますが、最も重要なことは、対象となる顧客層の選定です。
そのために、よく使われる手法の1つがRFM分析です。
この手法は、R(最終注文日)F(一定期間の注文回数)M(一定期間の注文金額)の3つの要素で顧客を分類します。
宅配用のパソコンソフトが入っていれば自動で抽出してくれますが、この3つのうちのどこに重点を置いて抽出するのかによって顧客データは変わってきます。
R(最終注文日)はDM発送日から近ければ反応率があがりますが、注文回数に重きをおくのか、それとも注文金額に重きをおくのかで迷うこともあります。
例えば、1年間に3万円の注文が1回あるお客様と、3000円の注文が10回あるお客様のどちらにDMを送った方がいいかと聞かれれば、3000円を10回注文してくれるお客様だと答えます。
たとえ1回当たりの注文金額が多くても、その後注文がなければDMを出しても注文が入る確率が低くなるからです。
一方、1回の注文単価が3000円でも10回注文をしてくれるのであれば、DMによって再注文の確率は上がります。
また、年間10回の注文が何年も続けば、顧客生涯価値(LTV)も上がりますから、注文回数を重視した方がより効果的です。
しかし、これはあくまでも一般論であって、DMを発送する時期やその他の条件によって変わってきます。
平常月であれば、1年に10回注文してくれているお客様にDMを出した方がいいのですが、繁忙期は考え方を変えることも必要です。
繁忙期に売上が伸びるのは、注文回数の多い常連客に加えて、新規のお客様、そして年間注文回数の少ないお客様からも注文が入るからです。
それは、年間の注文回数別顧客数を見ても明らかです。
多くの店では年1回だけ注文するお客様の比率が最も多くなっており、50%を超える店が殆どです。
また、年1回のお客様が注文をしているのは、正月、GW、お盆、クリスマスなどの商戦期・繁忙期が非常に多くなっています。
そして、興味深いことに、お客様には、ある注文法則が存在します。
水曜日に注文をするお客様は水曜日に、お彼岸に注文するお客様はお彼岸に、そしてお盆に注文をするお客様はお盆に注文をしています。
これは年に10回注文するお客様にも、年1回注文するお客様にもあてはまることです。
一般的には、年1回注文をするお客様は反応率が低いことがわかっていますから、この客層へのアプローチは二の足を踏んでしまいます。
ところが、この注文法則さえ理解しておけば、繁忙期に注文があった注文回数の少ないお客様には、同じ繁忙期にアプローチをすれば反応率を高めることが可能になります。
また、繁忙期にアプローチをした結果、年1回の注文が年2回に増えたこともありました。
RFM分析はあくまでも1つの手法であり、絶対ではありません。
その時々に合わせて柔軟に考えていくことが、売上・利益を伸ばしていきます。
あなたの店では、RFM分析では見逃されがちな、注文回数の少ないお客様へアプローチをするチャンスを活かしていますか?